1994 Fiscal Year Annual Research Report
大学院におけるソフトウェアプロジェクト演習の計画立案と運用管理支援システム
Project/Area Number |
06452392
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
鳥居 宏次 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10172222)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (70219492)
井上 克郎 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (20168438)
|
Keywords | ソフトウェアプロジェクト / ソフトウェアプロセス / プロジェクト演習 / 教育システム / 協調開発支援 / コミュニケーション支援 / CSCW |
Research Abstract |
本年度は, ・大学院教育の一貫として必要とされるソフトウェアプロジェクト演習の内容の検討と,詳細な授業・演習の計画の作成 ・演習を効率的に進行させ,種々のデータを収集,評価できるような支援システムの設計・作成 の2点を行なうことを予定した.これに対応する実績は以下の通りである. 1.鳥居,井上が中心となって,奈良先端科学技術大学院大学にて行なうことを想定したプロジェクト実習の計画を立案した.立案のための打ち合せは主に奈良先端大にて持たれた.本計画では,5〜6人のグループにわかれてそれぞれが比較的小規模のアプリケーションを作成する形をとっており,演習では,あらかじめ規定された開始プロセスに従った手順・手法を用いる形式をとる. 2.井上,松本を中心として,演習支援システムの設計,試作を行なった.まず,演習における開発プロセスにおける構成要素間の対話関係を抜き出したモデルの設計を行なった.このモデルでは,プロセスの構成要素を抽出し,要素間の対話情報を話題毎に分類することで,構成要素間の緊密さがグラフとして図式化できる. 次に,提案したモデルに基づき,抽出された「話題」単位で情報のやりとりを支援するシステムを試作した.本システムでは,電子メールや電子掲示版など、従来用いられてきた汎用ツールとは異なり,即時的なメッセージと,ファイルのような蓄積型の情報とを,一つのシステム内で統一してやりとりすることが可能である. 本システムでは,演習時にやりとりされる情報を,ネットワークを介して効率良く自動的に伝送すると同時に,その内容を演習データとして自動的に記録することができる.この機能を用いることで,指導教官が演習の進行状況を容易に把握でき,また,学生に対する指導自体も本システムを通じておこなうことが可能である. 本システムの作成は,本研究課題に対する補助金で購入したサーバ用ワークステーション(大阪大学に設置)と奈良先端大とに置かれたWSを用いて作成された.現在,来年度実施予定の演習に向けて,サーバ用ワークステーション上での運用準備を行なっている.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 井上克郎他: "Modeling Method for Management Process and Its Application to CMM and ISO 9000-3" Proceedings of The Third International Conference on The Software Process. 3. 85-98 (1994)
-
[Publications] 下條善史他: "ソフトウェア工学実験における分散型実験環境の構築" 第15回ソフトウェア信頼性シンポジウム論文集. 15. 105-110 (1994)
-
[Publications] 阪井誠他: "ソフトウェアプロセスの動的な変更部分の分析によるプロジェクト運営実践技術のモデル化とプロセス改善" 情報処理学会ソフトウェア工学研究会報告. 43. 41-48 (1994)
-
[Publications] 飯田元他: "プロジェクト管理支援環境-はこにわ" 日本ソフトウェア科学会第11回大会論文集. E8. 441-444 (1994)
-
[Publications] 松下誠他: "開発プロセスを構成する要素間のインタラクションに関する研究" 情報処理学会ソフトウェア工学研究会報告. 102. 165-170 (1995)