1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452406
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
千葉 則茂 岩手大学, 工学部, 教授 (40171946)
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Keywords | コンピュータグラフィックス / 仮想現実感 / 盆栽 / 樹木の生長モデル / シミュレーション |
Research Abstract |
本年度の実施計画に従いまとめる. (1)樹木の生長モデルについて: (1)幹・枝の骨格の生長モデル: 向日生と屈地性(負の重力屈性)の競合を解決するモデルを生長モデルに組み込んだ. (2)根の骨格の生長モデル: 幹・枝の骨格の生長モデルの規則を修正することで実現できることが分かった.例えば,向日性を養分を求める性質に,屈地性を正の重力屈性に変更する. (3)幹・枝と根の太さを与える生長モデル: 文献調査により,樹木や血管のように枝分かれする系で枝の太さの関係が“べき乗"則に従うことが報告されていることが分かったので,現在はこれに従っている.また,CG技法という観点からは,特に太い幹や枝の樹皮面を連続で滑らかに生成することが重要となるので,これに関するアリゴリズムを開発した.さらに,樹皮の簡易表現法として,多数の樹皮断片を幹や枝にマッピングするアルゴリズムを開発した. (4)葉や花・果実の生成モデル: 芽の中での葉の折り畳みと形状の関係があることがいくつかの葉について示せた.これに基づくと,葉の開葉のアニメーションも作成可能となる.また,葉の姿勢制御や色彩変化に関するモデルの構築のための基礎的な検討を行った. 鉢(陶磁器),石,苔などの表現法: 単一の呈色剤を含む釉薬の発色のモデルを開発した.また,苔の表現法として,苔の幾何形状モデルに基づく3次元テクスチャ法による表現法を開発した. 以上の結果のいくつかに関する論文を,学術雑誌(「11.研究発表」参照)や研究会(情報処理学会,NICOGRAPH等)で公表した.さらに,ビデオ作品を作成し,国際会議(EUROGRAPHICS)で発表した.
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