1995 Fiscal Year Annual Research Report
北海道南西沖地震群によって観測された特異な強震動記録の要因に関する研究
Project/Area Number |
06452409
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
笹谷 努 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10002148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 一嘉 東京大学, 地震研究所, 助教授 (50012935)
|
Keywords | 特異な強震動記録 / 1993年北海道南西沖地震 / 地震応答 / 大加速度 / 地盤と建物の相互作用 / 液状化 / 軟弱地盤 / 盆地生成表面波 |
Research Abstract |
平成6年度においては,主に,1993年北海道南西沖地震(M7.8)の余震群によって観測された特異な強震動記録の特性の抽出と,その解釈のための地盤構造調査を行った.本年度は,さらに,小地震観測,微動探査,電気探査等の調査を行い,特異な強震動記録の要因について研究を行い,以下の成果を得た. (1)8月8日(M6.3)の最大余震で1.6gという大加速度を観測した鮪の岬.ここでの強震動は,約4Hzで数十倍という鋭いピークを有する特異なサイトレスポンスを示す.その要因は,岬を形成する安山岩の上に存在する軟弱な段丘堆積物(厚さ=8.6m;N値<10;Vs=100〜200m/s)による強い増幅効果に加えて,地盤と建物との相互作用効果によるものである. (2)北海道南西沖地震時に液状化を起こした上ノ国.ここでの強震動は,周波数約1Hzで約10倍の増幅,10Hz以上で逆に減衰という特異なサイトレスポンスを示す.その要因は厚さ67mの軟弱な堆積層(上部約50mにおいては,N値<10;Vs=100〜200m/s;Q〜30)による低周波数(〜1Hz)における増幅と高周波数(>10Hz)における減衰効果に加えて,盆地構造による2次的な表面波の励起によるものである. 上述の特異な強震動を観測した地点の地学環境は,日本の多くの地点で見られるものであり,今後,同様な地学環境を有する地点での地震応答を考える上で,われわれの成果はきわめて重要となる.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 大島 弘光: "北海道上の国地域における電気探査" 北海道大学地球物理学研究報告. 58. 137-150 (1996)
-
[Publications] T.Sasatani: "Seismic response of a small,soft sedimentary basin:The Kaminokuni basin in Hokkaido" Proceedings of the International Workshop on Site Response Subjected to Strong Earthquake Motions,January 16-17,1996,Yokosuka,Japan. (in press). (1996)
-
[Publications] T.Sasatani: "Spatial variation of strong ground motion in a local area-Case studies from recent earthquakes in Japan-" Proceedings of the Fifth International Conference on Seismic Zonation,October 17-19,1995,French Riviera. (in press). (1996)
-
[Publications] K.Kudo: "Effects of surface soil and earthquake source radiation on the ground motion of 1.6g acceleration,observed during the August 8,1993,South-West Off Hokkaido earthquake,Japan" Proceedings of the Ninth Japan Earthquake Engineering Symposium-1994. 3. E-403-E-048 (1994)