1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452414
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 保 京都大学, 防災研究所, 教授 (40027230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里深 好文 京都大学, 防災研究所, 助手 (20215875)
澤田 豊明 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60027258)
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Keywords | 火砕流 / 流動機構 / 堆積機構 / 本体部 / 熱風部 / メラピ型 |
Research Abstract |
雲仙普賢岳で発生しているメラピ型火砕流においては、火砕物質そのものから発生する上向きのガス流による流動層の形成が基本的に重要な役割を演ずることを、特別に工夫した実験流路での詳細な計測と理論的な考察によって明らかにした。この種の火砕流では、流れは粒子濃度がほぼ一様な本体部と、その上部の濃度及び流速が上方に向けて減少していくサージ部に分かれ、本体部はさらに、粒子間で直接圧力が伝えられる底層部と、粒子間圧力が0で、粒子群がガス流の揚圧力で支えられている流動層部とに分けられる。このような流れの各層で卓越する応力モデルに関する考察から、流れの内部構造を明らかにするとともに、底層及び流動層における流速分布を求め、これらから本体部の抵抗則がえられた。また、サージ部に対しては、重力とガス流による抗力が均衡するとして導かれた濃度分布式が実験結果をよく説明することを示した。さらに、堆積過程に関する実験も行い、火砕流では上昇ガス流による揚圧力のために、降伏応力が著しく小さくなっていることから堆積が進行しにくく、非常に緩い勾配でも流下できることが分かった。そして、堆積発生条件は、斜面勾配、粒子に作用する重力と抗力の比、及び粒径と流動深の比によって表現できることが分かった。 実際の堆積物調査による流動機構の解明に関しては、雲仙の活動が終息しないため十分に行うことが出来なかった。来年度にはこのことを含め、堆積機構に関する実験的検討をさらに進めて、火砕流予測のためのシミュレーションモデルの構築を行う予定である。
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Research Products
(1 results)