1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452432
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日野 友明 北海道大学, 工学部, 助教授 (30109491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 一郎 北海道大学, 工学部, 助手 (80238568)
広畑 優子 北海道大学, 工学部, 助手 (00189896)
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Keywords | 核融合炉 / ヘリウム灰 / ヘリウム選択排気金属 / ニッケル / ダイバータ |
Research Abstract |
核融合炉では燃料希釈の原因となるヘリウム灰を効率よく排気する必要がある。通常、ダイバータにてヘリウム灰を排気するが、その効率は十分高くなく、ヘリウム灰濃度が増加して自己点火条件を維持できなくなる。このため、何らかの付加的方法を用いてヘリウム灰濃度を低減しなければならない。 ニッケル等の金属は水素を透過させるがヘリウムを材料中にトラップできることが知られている。もし、このヘリウム選択排気金属をダイバータ近傍におくなら、ヘリウム灰濃度の低減に大きく寄与する。しかし、ニッケル等の金属はどの程度のヘリウムをトラップできるのか、選択的にトラップできる温度条件はどうなるのかについて評価されていない。本研究では、ECRプラズマ装置で照射条件を変えてヘリウムプラズマをニッケルに照射して、ヘリウムのトラップ量を測定し、以下の結果を得た。 ヘリウムのみを選択的にトラップできる温度は100℃以上であり、約200℃と約600℃でトラップ量が最大になることがわかった。最大トラップ量は2×10^<16>He/cm^2であり、もしニッケルを実験炉に用いるなら30sec毎の表面リフレッシュが必要となる。ヘリウムのトラップはヘリウムイオンエネルギーがある値以上でないと起らない。600℃の場合は約0.7keV以上でなければならない。ニッケル温度が低い時はフルエンスに対してトラップ量はすぐ飽和するが、高い場合はなかなか飽和しない。これらのデータは核融合炉での本方法の適用に直接役立つものであり、ニッケルの温度を600℃に設定するのが最適であることがわかった。 ニッケルの他、ダイバータ材料であるタングステンに対しても同様の実験を行ったが選択排気特性はみられなかった。従って、現在のところ、ニッケルが本方法において最も適した材料である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.HiNo: "Reduction of Helium Ash by Selective Helium Pumping" Fusion Engineering and Design. 24. 437-440 (1994)
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[Publications] T.HiNo: "Simple Model for Selective Helium Pumping" Bull.Fac.Eng.,Hokkaido Univ.168. 49-52 (1994)
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[Publications] 柳原英人: "ニッケルのへリウムイオン・リテンション" 真空. 37. 363-366 (1994)
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[Publications] H.Yanagihara: "Helium Retention of Nickel" Journal of Nuclear Material. (未定). (1995)