1994 Fiscal Year Annual Research Report
衛星画像データと局地気象モデルによる酸性霧影響の解析
Project/Area Number |
06452440
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
池田 有光 大阪府立大学, 工学部, 教授 (40026232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一森 文治 大阪府立大学, 工学部, 教務技師
安田 龍介 大阪府立大学, 工学部, 助手 (50244661)
星野 叡史 大阪府立大学, 工学部, 講師 (50094511)
村野 健太郎 環境庁, 国立環境研究所, 主任研究員 (40109905)
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Keywords | 酸性霧 / 衛星画像 / 局地気象 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
この研究は、大都市周辺山地における樹木の立ち枯れ現象と酸性霧の因果関係を調べるために、衛星画像を用いた立ち枯れの現況解析と局地気象モデルによる霧発生分布の推定を行うものである。本年度は申請課題の研究初年度であり、(1)解析地域・解析日の選定(2)データ収集・整理・編集(3)衛星画像データの解析と現地調査(4)局地気象モデルによる予備計算、を行った。以下、現段階までに得られた知見について述べる。 1.立ち枯れ分布について 現地調査を行ったところ、立ち枯れ地域は1区画が数百m^2であり、これが離散的に広範囲に分布していることがわかった。一方、最も分解能が細かいランドサット衛星画像ですら1画素は数百m^2に当たる。また、立ち枯れ樹木のすき間に生えている下草の影響があり、衛星画像でわかる植物活性度のみからでは立ち枯れ地域を峻別するのは困難であった。したがって、立ち枯れ分布を詳細に求めるには、航空写真など更に細かい情報を組み合わせる必要があり、次年度はこの方向で更に解析を進める。 2.霧の生成分布について 1985年から93年までに取得された衛星画像を検索したところ、解析対象地域(日光、赤城山周辺)は他の地域に比べ霧が発生していることが特に多く、その分布が地形の影響を直接受けていることが確認された。また、霧の発生面積が比較的小さいことから、局所的な地形性霧の生成数値シミュレーションには、計算負荷の小さい静力学モデルを用いるのは不適当であり、少なくとも計算に局所地形を直接反映させるべき領域では、非静力学モデルを用いる必要があることがわかった。
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Research Products
(1 results)