1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06452442
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
陶山 明 東京大学, 教養学部, 助教授 (90163063)
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Keywords | DNAプローブ / バイオ素子 / 塩基配列 / ハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
DNAプローブ集積チップは、多種類のDNAオリゴヌクレオチドを微小なドット・マトリックスとして基板上に末端固定したものである。本研究では、フォトリソグラフィにより、このチップを製作する方法の開発を試みた。昨年度は、DNAオリゴヌクレオチドを光照射により末端固定する方法の開発と、フォトリソグラフィによりチップを作製するための装置の製作を行った。今年度はこれらの成果をもとに、ドットの大きさが500μm程度のDNAプローブ集積チップを開発することを目指した。 研究の結果、昨年度開発した光照射による末端固定法には、集積チップをつくる上で以下のような問題点があることがわかった。DNAオリゴヌクレオチドの固定化量が少なく、S/Nのよいハイブリダイゼーションのデータが得られない。DNAプローブの交換反応が起こり、集積パターンが乱れる。固定化量が少ない問題に関しては、ビオチンとストレプトアビジンの結合を介さないで直接基板上に光活性基を導入すると、光活性基の量が増え、DNAオリゴヌクレオチドの固定化量を向上させることができることがわかった。また、これにより、ビオチンがストレプトアビジンからゆっくりと解離し別の結合部位に再結合する反応により生じる集積パターンの乱れの問題も解決できることがわかった。しかし、光活性基の寿命が数ミリ秒と短いために、実験に用いたDNAオリゴヌクレオチド濃度では活性基と反応できる分子の数が少なく、固定化量を十分に高くすることが依然として困難であることがわかった。光活性基の寿命を長くすることは難しいので、光活性基の近くでのDNAオリゴヌクレオチドの実効濃度を上げる工夫を考案し、検証することにした。
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