神経・筋系の電子的外的制御

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06452444
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 星宮 望 東北大学, 工学部, 教授 (50005394)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 半田 康延 東北大学, 医学部, 教授 (00111790) ; 渡辺 高志 東北大学, 工学部, 助手 (90250696) ; 村上 肇 東北大学, 工学部, 講師 (80219899) ; 二見 亮弘 東北大学, 工学部, 助教授 (20156938)
• Keywords: 機能的電気刺激 / FES / 生体電子工学 / 神経筋骨格系 / 運動機能再建 / シミュレータ / 刺激パターン / マン・マシン・インタフェース

Research Abstract

1.高機能神経・筋系シミュレータ
筋の電気刺激に対する収縮特性の計測と解析を進め、特に、モデル化において重要な個々の筋の特性の差を速筋・遅筋といった観点から評価し、定量化した。また、生体力学特性等に関する基礎的データの収集を進めた。そして、これらの知見を踏まえて、筋系、骨格系の基礎的なモデルの構築を進めた。
2.刺激パターン生成
健常者の筋電図解析に基づいて定めたパターンを用いて、臨床的な動作再建を進めた。また、新しい刺激パターン生成法として、以下の2法について、その実現可能性を確認した。
(1)従来の手法を拡張した、実測した筋電図波形を補間することによる、協調運動の同時制御を行うための刺激パターン生成方式
(2)電気刺激による神経・筋・骨格系の応答を、人工神経回路に学習させた、より多彩な動作再建を行うための刺激パターン生成方式
3.マン・マシン・インタフェース
機能的電気刺激(FES)システムの操作性向上を図るために、特に拘束条件の厳しい頸髄損傷四肢麻痺者を想定して、頭部の残存機能である舌動作を対象として、システムの試作及び評価を行い、その原理的可能性を示した。

Research Products

• [Publications] 古瀬則夫・他: "FESによる協調運動の同時制御のための刺激パターン生成法-第2報:負荷を伴う上肢の動作筋電図の解析-" 医用電子と生体工学. 33(特). 566 (1995)
• [Publications] 町野保・他: "データマッピング法によるFESの刺激パターン生成に関する基礎的検討" 医用電子と生体工学. 33(特). 570 (1995)
• [Publications] 比嘉広樹・他: "誤り訂正回路を用いた体内埋込型FESシステムの検討" 医用電子と生体工学. 33(特). 571 (1995)
• [Publications] 渡辺高志・他: "速筋・遅筋特性を考慮したFESによる麻痺肢制御の基礎検討" 電子情報通信学会技術研究報告(MEとバイオサイバネティックス). 95. 101-108 (1995)
• [Publications] 渡辺高志・他: "機能的電気刺激(FES)技術の運動機能障害者への支援" エル・エス・ティ学会誌. 7. 1150-1156 (1995)
• [Publications] K.Morita et al.: "A basic study on an FES control method considering fast and slow muscle characteristics" Proc.IEEE/EMBS. 17. (1995)
• [Publications] 村上肇・他: "電気刺激によるヒトの筋活動の再構築-工学的アプローチ-" Japanese Journal of Sports Science. 14. 523-527 (1995)
• [Publications] 西澤正毅・他: "FESにおける疲労改善のための変調方式に関する研究" 第4回日本FES研究会・学術講演会予稿集. 1 (1995)
• [Publications] 石川知道・他: "FESによる姿勢保持のためのフィードバック制御システムに関する検討" 第4回日本FES研究会・学術講演会予稿集. 2 (1995)
• [Publications] H.Higa et al.: "Fail-Safe circuits for implantable FES system" Proc.2nd International FES Symposium in Sendai. 78-83 (1995)
• [Publications] T.Watanabe et al.: "FES simulator for optimizing control method" Proc.2nd International FES Symposium in Sendai. 84-90 (1995)
• [Publications] T.Machino et al.: "FES control of wrist joint angles based on the interpolation of Stimulus-angle charasteristics" Proc.2nd International FES Symposium in Sendai. 174-180 (1995)
• [Publications] 星宮 望: "〔特別講演〕生体電子工学の新しい展開-神経・筋系の電子的制御-" 医用電子と生体工学. 33(秋特). 7-10 (1995)
• [Publications] 巌 光文・他: "対麻痺者の運動機能再建のためのFESシミュレータ" 第29回日本ME学会東北支部大会講演論文集. 26 (1995)
• [Publications] 古瀬 則夫・他: "FESによる協調運動の同時制御のための刺激パターン生成法-第3報:能動型装具適用時の上肢動作筋電図の解析-" 第16回バイオメカニズム学術講演会予稿集. 169-172 (1995)
• [Publications] 星宮 望・他: "〔総括講演〕機能代行とリハビリテーションはどう変るか" 第10回生体・生理工学シンポジウム. (1995)
• [Publications] 比嘉広樹・他: "ハミング符号化法に基づく誤り訂正回路を用いた体内埋め込み型FESシステム" 第10回生体・生理工学シンポジウム論文集. 89-92 (1995)
• [Publications] 町野 保・他: "刺激電圧-関節角度特性の補間に基づくFESによる手関節制御に関する基礎的検討" 第10回生体・生理工学シンポジウム論文集. 109-112 (1995)
• [Publications] 村上 肇・他: "機能的電気刺激(FES)システムの制御命令としての舌動作の検討" 医用電子と生体工学. 33. 365-369 (1995)
• [Publications] 渡辺高志・他: "速筋・遅筋特性を考慮したFES制御のための刺激周波数-張力特性の計測" 医用電子と生体工学. (掲載予定).
• [Publications] 古瀬則夫・他: "ハイブリッド機能的電気刺激による上肢動作再建のための刺激パターン生成法の検討" 電子情報通信学会技術研究報告. (発表予定).