1995 Fiscal Year Annual Research Report
人工靱帯開発のための高強度高分子線維を用いた複合材料の生体内劣化に関する研究
Project/Area Number |
06452448
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 紘三郎 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90026196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 浩 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00263228)
山本 憲隆 大阪大学, 基礎工学部, 講師 (40210546)
田中 正夫 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40163571)
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Keywords | 人工靱帯 / 生体内劣化 / 高分子繊維 / 複合材料 / 疲労試験 / 力学的性質 / 埋植 / 引張試験 |
Research Abstract |
1.人工靱帯用の素材として,ナイロン繊維あるいはポリエチレンテレフタレート繊維を芯糸とし,この周囲に2本のトワロン繊維を鞘糸として螺旋状に交叉させて巻き付けた複合糸を作製した.この複合糸について,生理食塩水浸漬試験,生理食塩水中での疲労試験,ラット皮下埋植試験を行った.その結果,ポリエチレンテレフタレート繊維の周囲にトワロン繊維を1m当たり500回巻き付けた複合糸(PET500)が人工靱帯の素材として有望であることがわかった. 2.PET500に対してコレステロール脂質溶液中での疲労試験および家兎の膝蓋骨-脛骨間への移植による生体内疲労試験を行い,その疲労挙動について詳細に検討した.生体外および生体内での繰り返し変形により,PET500の破断荷重と破断ひずみが減少する傾向が現れたが,剛性は変化しなかった. 3.PET500に対して細胞毒性試験を行い,PET500には細胞毒性が無いこと確認した. 4.PET500を編み合わせて人工靱帯を作成し,その力学的性質を調べた.作成した人工靱帯では,ヒト前十字靱帯よりも破断荷重と剛性が大きいことがわかった.現在,人工靱帯の剛性をヒト前十字靱帯の剛性に近づけるために改良を行っている.さらに,この人工靱帯について生体外および生体内での疲労試験を行い,評価する予定である.
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[Publications] 山本憲隆,他: "人工靱帯用複合材料の力学的性質と疲労挙動" 日本機械学会第6回バイオエンジニアリング学術講演会講演論文集. 34-36 (1994)
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[Publications] 林絋三郎,他: "Preliminary Evaluation of High Strength Polymeric Fibers for the Development of Artificial Ligament" Proc.8th International Conference on Biomedical Engineering. 86-89 (1994)
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[Publications] 増田雅之,他: "人工靱帯用高分子複合材料の生体外疲労試験による評価" 日本機械学会関西支部第70期定時総会講演会講演論文集. 73-75 (1995)
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[Publications] 山本憲隆,他: "人工靱帯用高分子複合材料のコレステロール脂質溶液中における疲労挙動" 日本機械学会第4回バイオエンジニアリングシンポジウム講演論文集. 93-94 (1995)
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[Publications] 山本憲隆,他: "人工靱帯用高分子複合材料の生体内疲労試験による評価" 第22回日本臨床バイオメカニクス学会抄録集. 171- (1995)