1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06453001
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
細谷 正一 山梨大学, 工学部・附属無機合成研究施設, 助教授 (30124621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和芳 東北大学, 理学部・物理学科, 助教授 (70133923)
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Keywords | BaNiS2 / 結晶育成 / 封入管BM法 / 中性子散乱 |
Research Abstract |
平成六年度(初年度)では合成装置および単結晶育成装置の整備に重点をおいた。その結果、超高速昇温電気炉、自動乳鉢および透明電気炉など本化合物系の高品質な測定試料を合成するための装置群を導入することができ、研究を遂行するための基盤整備を行なうことができた。 創製ではBaNiS2,BaCoS2などの端成分およびこれらの固溶体の多結晶粉末の合成に余念がない。この種の系統的研究においては測定試料の質が重要である。当面、表記化合物の系統的合成に専念しており、帯磁率、電気伝導度などマクロ物性測定による評価が行なわれている。均質かつ成分比などが明らかになった高品質な化合物粉末が得られつつある。 また化学輸送法および封入管BM法などによる大型単結晶の育成の可能性を探るための実験に着手した。封入管BM法ではBaNiS2結晶のNiS2過剰溶液からの育成を試みた結果、小型の単結晶群が生成することを見いだした。装置導入が当初の予定より若干遅れたため、磁気構造、スピン励起などの情報を得るための中性子散乱実験に用いるに十分な大きさには至っていないが、核形成の制御など育成条件を詰めることにより大型単結晶を得ることができるものと期待される。
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