1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06453001
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Research Institution | YAMANASI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
細谷 正一 山梨大学, 工学部, 助教授 (30124621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和芳 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70133923)
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Keywords | 遷移金属硫化物 / 合成 / BaNiS2単結晶 / 中性子散乱 |
Research Abstract |
アルカリ土類遷移金属硫化物のいくつかは、構造中にM2S2(M=遷移金属)層を有し、異種遷移金属の固溶や硫黄欠陥により、酸化物高温超伝導体あるいはその関連酸化物ときわめて類似の挙動を示すことが知られている。本研究では一連のAMS2型硫化物(A=Ba,Sr,Ca: M=Fe,Co,Ni,Cu)などの三元系端成分、固溶体およびキャリアーを注入した多結晶試料を系統的に合成し、これらの電気伝導、磁化などのマクロな物性と、中性子散乱実験により観測されるスピン- 格子相互作用との関連を明らかにし、またこれら硫化物の単結晶育成の可能性を探ることを目的として行われた。 創製については、固相反応法により真空封止管中において固溶体粉末を合成することが行なわれた。BaNiO2-BaCoO2系では合成条件の検討がおこなわれ問題点等が指摘された。この系では固溶体全率が合成された。マクロ物性が測定され、既法とはほぼ同等の挙動を示す事が明らかになった。またBaNiO2のNiサイトのCu、BaサイトのLa,Na置換などが試みられ、合成条件についての知見が得られた。得られた粉末の中性子散乱については現在測定中である。単結晶育成については主として真空封止管に納められたアルミナ管中で垂直BM法で試みられた。育成は共晶点付近のNiS2過剰組成を用いて行なわれ、3×3×1mm程度の自形単結晶が多数得られた。核形成の制御などに新たな技術の開発が必要とされた。
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