1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06453002
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
秋山 雅彦 信州大学, 理学部, 教授 (20015580)
|
Keywords | ケロジェン / 赤外吸収スペクトル / IR熟成経路ダイアグラム / タ-ビダイト泥岩 / 蛍光マセラル分析 / 熟成度 / 石油根源岩 |
Research Abstract |
タイプI(Green River Shale)、タイプII(女川層頁岩)、タイプIII(猿仏岩)ケロジェンの熟成シュミレーション実験にもとづいて、IR熟成経路ダイアグラムを描き出すことに成功した。このダイアグラムはFTIRの拡散反射法(補助金による設備備品)によって、赤外吸収スペクトルをとり、脂肪族炭化水素の相対含有量をしめす強度比2930cm^<-1>(脂肪族CH_2の吸収)/1605cm^<-1>(C=Cの吸収)値を縦軸に、1710cm^<-1>(C=Cの吸収)/1605cm^<-1>の値を横軸にとり、ビトリナイトの反射率値を加えた図である。この図によって、Van Krevelen図と同様に、ケロジェンのタイプと熟成度とを同時に判定することができることになる。 今年度の研究のもう一つの成果は、新潟油田地域の根源岩として名高い寺泊層のケロジェンの特性を蛍光顕微鏡(補助金による設備備品)とFTIRとをつかって明らかにしたことである。寺泊層模式地から採取したタ-ビダイトシーケンスEに相当する泥岩部を、帯暗灰色〜茶灰色を呈するタ-ビダイト泥岩(Et)と帯暗褐色〜黒褐色の(半)遠洋性泥岩(Ep)とに区分し、その分析をおこなった。EpのケロジェンはおもにWFA(Weakly fluorescent amorphous kerogen)から構成されているのに対して、EtのケロジェンにはWFAが少なく、おもにNFA(Non‐fluorescent amorphous kerogen)とビトリナイトから構成されていることが明らかになった。またFTIRによる赤外吸収スペクトル分析の結果からは、Epのケロジェンが脂肪族CH_2にとみ、脂肪族炭化水素の鎖も長いこともわかってきた。石油根源岩の評価にあたっては、ダ-ビダイトの場合には、泥岩部のEpとEtの判別が重要であることを示している。
|