1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06453011
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
永井 尚生 日本大学, 文理学部, 助教授 (10155905)
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Keywords | 加速器質量分析 / 大気 / 深海底堆積物 / 宇宙線生成核種 / ベリリウム-10 / アルミニウム-26 |
Research Abstract |
1.加速器質量分析については、東京大学原子力総合センタータンデム加速器のAMSコース及びAMS測定システムの整備・テストを行い、^<10>Be・^<26>Alの測定に成功した。^<10>Beは精度2-4%で^<10>Be/^9Be=3x10^<-13>程度の試料について、^<26>Alは精度5-10%で^<26>Al/^<27>Al=1x10^<-12>程度の試料について測定が可能となった。 2.大気中の^7Be・^<10>Beの分布については東京大学海洋研究所の共同利用研究KH94-3,4次航海で40°N〜60°Sの海域においてエアサンプラーを用いて採取した試料について、^7Beは非破壊γ線測定により、^<10>Beはペ-パ-フィルターを灰化し担体を加えBeの分離精製を行ってAMSにより測定した。その結果^7Be・^<10>Be共に両半球20〜30°において極大値を示し、赤道付近及び50〜60°において極小値を示し、また極地に向かって増加する傾向が見られた。この分布については、1)降水による大気中のエアロゾルの除去の影響により赤道付近で極小値を示す。2)この分布のパターンが気圧配置と大まかに一致する、即ち両半球20〜30°においては気圧が高く下降気流によりエアロゾルの降下速度が早く、赤道付近及び50〜60°においては上昇気流によりエアロゾルの^<10>Beについては降下速度が遅くなる。3)南半球においては、陸地に降下した核種が土壌粒子と共に再浮遊し、大気中の核種の濃度を高める。などの原因が考えられる。 3.深海底堆積物はアマゾン川河口沖のCeara Riseにおいて採取された試料のうち0〜200m(〜7Ma)についてケイ酸塩部分の炭酸塩・有機物からの分離操作を行い、AMSにより^<10>Be、ICP発光分析により^9Beの定量を行った。その結果ケイ酸塩中の^<10>Be量は、平均的には海洋からの供給と考えられる値を示すが、10〜20mおよび170m付近にはアマゾン川から供給されたと思われる過剰な^<10>Beが見出された。
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