1994 Fiscal Year Annual Research Report
種々のレンズ効果を利用した新しい分光法の開発と化学反応系への応用
Project/Area Number |
06453023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺嶋 正秀 京都大学, 理学部, 助教授 (00188674)
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Keywords | 過渡レンズ / 非線形光学効果 / 光力-効果 / 温度レンズ |
Research Abstract |
光と媒体との種々の非線型光学効果により、媒体の屈折率は変化を受ける。この効果を、ポンプ光の光強度を空間的に不均一にすることで、レンズ効果として検出することに成功した。例えばこれまで知られていた、媒体の密度変化により屈折率の変わる効果(熱レンズ効果)の他に、純粋に温度効果による寄与(温度レンズと名づけている)、分子配向の異方性による寄与(カーレンズ)、化学反応が起こった際の分子体積変化による寄与(体積レンズ)、励起状態が生成することによる寄与(ポピュュレーションレンズ)等を新たに発見した。こうした成分を従来の信号成分と分離するため、新しい信号検出手段を開発し、またフェムト秒レーザーを用いた超高速測定法を確立した。こうした寄与は従来の信号成分では解明不可能な超高速の分子運動や、エネルギー移動過程を解明する際の非常に有力な手法となる。例えばカーレンズ信号を解析することで、溶液中での分子配向運動をフェムト秒のスケールから測定できた他に、その偏光方向依存性や波長依存性を通して特異な分子運動を検出できた。またこの現象は、基礎科学的に重要なだけでなく、応用の面からも、光で光をコントロールする次世代のオールオプティカル技術の一つとして重要な役割を果たし得ることを示した。また温度レンズ成分を応用することで、これまではマイクロからナノ秒が限界であった熱変換過程の検出を、3桁以上のばすピコからフェムト秒の時間スケールで検出し、これまでは未知の分野であった熱化過程の初期過程に対して、有力な測定法を開発した。更なる応用方法を現在開発中であり、多くの分野に発展していくものと考えられる。
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[Publications] M.Terazima: "“Rise Profile of the Thermal Lens Signal:Contribution of the Temperature Lens and the Population Lens"" J.Chem.Phys.,. 100. 2481-2486 (1994)
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[Publications] S.R.Greenfield: "“Effects of local liquid structure on orientational relaxation:2-ethylnaphthalene,neat and in solution"" J.Phys.Chem.,. 98. 313-320 (1994)
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[Publications] M.Terazima: "“Measurement of translational diffusion of photochemically stable molecule by the transient grating method;Hematoporphyrin in acetone"" Chem.Phys.Lett.,. 218. 574-578 (1994)
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[Publications] M.Terazima: "“Contributions of transient absorption and population lens in thermal lens spectroscopy"" J.de Phys.(Colloq.Ed.Phys.,C7). 4. 345-352 (1994)
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[Publications] M.Terazima,: "“Photoinduced cooling of Eu3+aqueous solution probed by the photothermal methods"" Chem.Phys.Lett.,. 228. 398-402 (1994)
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[Publications] M.Terazima: "“Temperature lens and temperature grating in aqueous solution"" Chem.Phys.,. 189. 793-804 (1994)