1996 Fiscal Year Annual Research Report
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06453050
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| Research Institution | Shimane University |
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Principal Investigator |
春日 邦宣 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00032615)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉森 保 島根大学, 総合理工学部, 助手 (60263505)
半田 真 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (70208700)
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| Keywords | フタロシアニン / 幾何異性体 / 光触媒 / 酸化触媒 / 二酸化炭素 / 化学的固定 / スチレン |
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| Research Abstract |
今年度は、以下に示す本研究の中、やり残した部分につき検討した。
[1]四置換体の構造異性の選択的合成を、置換基の嵩高さを制御して立体的に1個の異性体のみが得られる条件の検討
[2]可溶化されたフタロシアニン金属錯体を用いる二酸化炭素の化学的固定
[3]溶液中での錯体の光触媒能
[4]酸化触媒能
[1]前年度に1種類の幾何異性体のみを合成することに成功したが、今回はこの配位子を用いて各種の金属錯体の合成を行なった。亜鉛とマグネシウム錯体において、他の錯体に見られない新しい吸収帯が700nm付近に現れた。
[2]軸配位子としてOH基を持つ錯体と持たない四級アンモニウム塩を用いる場合、または軸配位子として酢酸イオン等を持つ錯体と四級アンモニア塩を用いた場合は、五配位錯体はそのままで、六配位錯体は形成されない。六員環中間体を経て環状炭酸プロピレンが生成すると思われる。
[3]水:アセトニトリル=1:1の混合溶媒中においてTEOA-亜鉛錯体の二成分系に対して、365nmの単色光を照射すると錯体の光還元がおこり、656nmの単色光を照射しても光還元が起こらないことが報告されている。そこで、水:DMSO=1:1の混合溶媒中において、トリスルホフタロシアニナト亜鉛(II)錯体の光触媒能の波長依存性について検討した。錯体のBバンド(360nm付近)の波長光で照射した方が、Qバンド(670nm)の波長で照射した場合よりもメチルビオロゲンラジカルが多く生成した。しかし、Qバンドで照射してもラジカルの生成は認められた。360nmでの量子収率は9.23×10^<-4>であった。
[4]フタロシアニン錯体を触媒とするスチレンの酸化反応において、マンガン(III)、鉄(III)錯体を用いる系とコバルト(II)錯体を用いる系とでは、種々の反応性の違いがあることが分かった。
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[Publications] K.Kasuga、M.Handa: "Reaction of Carbon Dioride with phthalocyanine to aluminium(III)" Inorg.Chim,Acta. 244. 137-139 (1996)
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[Publications] M.Handa、K.Kasuga: "A Chain Complex of Ruthenium (II,III)Cotion Dimer" Chem.Lett.201-202 (1996)
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[Publications] K.Kasuga、T.Sugimori: "Preparation of One Structural Ioomer of Phthalocyanine" Chem.Lett.867-868 (1996)
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[Publications] K.Kasuga、M.Handa: "Structure and Properties of Subphthalocyaninatoboron" Bull.Chem.Soc.Jpn.69. 2559-2563 (1996)
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[Publications] K.Kasuga、M.Handa: "Cycloaddition of Carbon Dioxide to 1,2-Epoxypropane" Bull.Chem.Soc.Jpn.69. 2885-2888 (1996)
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[Publications] K.Kasuga: "Fixation of Carbon Dioxide with 1,2-Epoxypropane" Inorg.Chim.Acta. (印刷中).
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[Publications] K.Kasuga: "Phthalocyanines,vol4" VCH Publishers, 17/524 (1996)
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[Publications] 春日邦宣: "フタロシアニン-化学と機能-" 株式会社 アイピーシー, 9/348 (1997)
