1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06453084
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 俊夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20114895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須佐 匡裕 東京工業大学, 工学部, 助教授 (90187691)
永田 和宏 東京工業大学, 工学部, 教授 (70114882)
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Keywords | 高温酸化 / 高導電率酸化皮膜 / Sr-Cr-O系 / 状態図 / 標準生成自由エネルギ |
Research Abstract |
高耐酸化性と高導電性を兼ね備えた酸化物保護皮膜の形成に関する研究を行い,本年度は以下の結果を得た. (1)多孔質(La,Sr)CoO_3を被覆したNi-Cr系の超合金を1000℃で高温酸化して,生成するCr_2O_3皮膜は耐酸化性に優れ,高導電性を有するが,この皮膜中にはSr-Cr-O系の化合物粒子が生成している. (2)Sr-Cr-O系の三元系の状態図をCr_2O_3と平衡する部分について作成した.その結果,SrCrO_4,Sr_3Cr_2O_8,Sr_3Cr_2O_7,Sr_2CrO_4,SrCr_2O_4が平衡相として存在することを明らかにした. (3)安定化ジルコニアを固体電解質とした酸素濃淡電池と気相平衡法を併用して,SrCrO_4,Sr_3Cr_2O_8およびSr_3Cr_2O_7の標準生成自由エネルギーを求めた. (4)SrCrO_4,Sr_3Cr_2O_8およびSr_3Cr_2O_7の導電率を1000〜1100℃の範囲で,酸素分圧を変化させて測定した.Cr_2O_3と平衡するSrCrO_4の導電率は酸素分圧の-5/12乗に比例して変化し,Sr_3Cr_2O_8と平衡するSrCrO_4の導電率は酸素分圧に依存せず,一定であった.このことから,格子間Srイオンの生成により,生ずる電子による伝導であることを示した.Sr_3Cr_2O_8およびSr_3Cr_2O_7はともに,半金属的な導電性を示し,Cr_2O_3の導電率に比べて3桁程度大きいことを明らかにした.
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