1995 Fiscal Year Annual Research Report
Fe薄板に対するAlの拡散浸透による軟磁性の優れたFe-Al合金薄板の試作
Project/Area Number |
06453088
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
大西 正巳 九州工業大学, 工学部, 教授 (90029041)
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Keywords | 薄鉄板 / アルミニウム / 拡散浸透 / 軟磁性 / 最大透磁率 |
Research Abstract |
過去の研究では、14.87mass%の鋳造試料を水焼き入れすることにより最大透磁率として2.6×10^4をHm^<-1>を得たとの報告もある。ところが、昨年の結果で最良の軟磁性を示した13.4mass%の試料を973Kから水焼き入れした結果では最大透磁率が約1×10^4にすぎなかった。Fe-Al合金を作成するために、本研究のように表面処理を利用すると、試料表面の酸化の程度が実験毎に異なり、実験データーの再現性がよいとはいえない。本研究では搬送ガスに10%の水素を包含するアルゴンガスを使用した。この場合の酸素ガス除去には活性化銅さらには白金アスベストを使用し、水蒸気の除去には五酸化燐を使用した。結果的に白金アスベストと五酸化燐でほぼ十分目的を達することが可能であったが、良い条件を維持するには工夫が必要であった。今後さらに再現性に注意しAl濃度を変えて実験を続ければ、表面処理によっても経済的に採算のとれる優れた軟磁性材料が得られる可能性はある。 実験に使用したAlCl_3ガスはAlの工業的溶解に際して、水素ガス除去のために塩素ガスを吹き込む作業によって多量に産出される。このようにして産出されたAlCl_3は現在のところ産業廃棄物でしかない。したがって、AlCl_3を利用する事が望ましく、表面処理によっても鉄表面を25mass%にすることが可能となったので、軟磁性以外に、耐食性および耐熱性を目的とした処理方法も考えられることを付記する。
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[Publications] 大西 正巳: "CVDによるアルミニウムのα鉄試料への拡散浸透" 材料とプロセス. 7. 578-581 (1994)
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[Publications] "鉄に対するアルミニウムの拡散浸透による軟磁性の向上" 表面技術協会九州支部119回例会会報. 34. 25-26 (1994)
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[Publications] 大西 正巳: "金属ハライドによる表面処理" 表面技術協会九州支部121回例会会報. 35. 1-6 (1995)