1995 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素による炭化水素の酸化的脱水素反応触媒の開発
Project/Area Number |
06453104
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Research Institution | KANSAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鈴木 俊光 関西大学, 工学部, 教授 (70026045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池永 直樹 関西大学, 工学部, 助手 (20232209)
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Keywords | 鉄触媒 / エチルベンゼン / スチレン / 酸化的脱水素 / 脱水素 / 二酸化炭素 / イソブテン / イソブタン |
Research Abstract |
エチルベンゼンの脱水素によりスチレンの合成をより効果的に行うため、活性炭担持触媒を用いて、二酸化炭素雰囲気下で種々の金属の触媒活性について検討した。Cr,Ceの酸化物を活性炭に担持した触媒が酸化鉄を活性炭に担持した触媒と同程度のまたはやや高い活性を示した。いずれの金属も3-5wt%した触媒が最も高い活性を示し、活性炭担持クロム触媒では550℃で、エチルベンゼンの転化率48%、スチレン収率41%を得た。Arなどの不活性ガス中でもエチルベンゼンの転化率は二酸化炭素気流中と変わらなかったが、スチレンの収率は低く、二酸化炭素の存在はスチレンの選択性を高く保つのに寄与した。この触媒の初期活性は高いが、反応の経過に伴い、次第に活性は低下した。エチルベンゼンあるいは生成したスチレンが触媒上でコ-クになり触媒の活性が低下した。 ガソリンの添加剤として需要が増加しているイソブテンをイソブタンの脱水素により製造するため。イソブタンの脱水素を活性炭担持鉄またはクロム触媒を用いて検討した。反応温度550℃においてW/F=8g 触媒/mol・hrのときにイソブタン転化率24%、イソブテン収率20%、選択率80%を得た。この反応において触媒の活性種のFe_3O_4がイソブテンの脱水素反応により金属鉄に還元される。二酸化炭素は鉄を再びFe_3O_4に酸化し活性を維持する作用をすることが、Ar気流下の反応および二酸化炭素気流下の反応の前後の触媒をX-線解析し、鉄種の結晶構造を明らかにすることより示された。この反応においても炭素析出による触媒活性の低下が起こった。イソブテンの供給を停止し、二酸化炭素のみを供給すると触媒活性が回復した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 鈴木,俊光,池永,直樹他: "Oxydative dehydrogenation of ethylbenzene with carbon dioxide" Applied Catalysis A: General. 121. 125-137 (1995)
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[Publications] 鈴木,俊光,池永,直樹: "活性炭担持クロム触媒を用いたエチルベンゼンの脱水素反応" 日本化学会第69春季年会. 2A216 (1995)
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[Publications] 鈴木,俊光,池永,直樹: "イソブタンのCO_2による酸化的脱水素" 日本化学会第69春季年会. 2A229 (1995)
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[Publications] 鈴木,俊光,池永,直樹: "酸化クロム・活性炭触媒を用いたイソブタンのCO_2による脱水素" 日本化学会第71春季年会. 3D408 (1996)