1994 Fiscal Year Annual Research Report
ジルコニヤを基体とした新規な高酸化物イオン導電性固体の開発
Project/Area Number |
06453121
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山本 治 三重大学, 工学部, 教授 (70023116)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 敬人 三重大学, 工学部, 助教授 (90126954)
武田 保雄 三重大学, 工学部, 助教授 (60093051)
|
Keywords | 燃料電池 / 高温固体電解質燃料電池 / スカンジア安定化ジルコニア / 沈法 / クエン酸法 / ゾルゲン法 |
Research Abstract |
Sc_2O_3-ZrO_2系固溶体の合成を共沈法、クエン酸法、ゾル-ゲン法等により試みた。特に、ク塩酸法によつて得られた固溶体微粉末は比較的低い温度での焼結が可能であつた。1700℃,12時間の焼結で90%以上の理論密度の焼結体がえられた結果、Sc_2O_3組成が3-12mol%の範囲の焼結体を合成した。Sc_2O^3、3-4mol%で単斜晶、5-6mol%で正方晶、8-9mol%で立方晶、11-12moL%で菱面体晶が得られた。これらの結果は報告された状態図とほぼ対応しているが、正方晶の存在範囲がいささか高いSc203組成側であつた。正方晶の導電率は1000℃でお約0.1S/cmとY_2O_3安定化ジルコニア(YSZ)のそれとほぼ同じ導電率を示した。また立方晶の導電率は1000℃で0.3S/cmとYSZの約3倍の値を示した。なお、立方晶Sc_2O_3安定化ジルコニアの機械的強度はYSZのそれとほぼ同じで三点曲げ強度は室温で約250MPであつた。また、菱面体晶を示したSc_2O_3、10-12mol%組成固溶体に約0.3%のAl_2O_3を添加すると室温での立方晶が安定化されことが認められた。 本研究では高温固体電解質燃料電池の高性能化をめざし、高い酸化物イオン導電率を示す固体の探索をまざしてきたが、これまでの期待されたようにSc_2O_3-ZrO_2系が優れた電解質であることを見いだした。とくに、クエン酸法で合成することにより比較的低温で緻密な焼結体が得れることがみいだされたのは特記できる成果である。また、最も高い導電率を示す組成11-12mol%Sc_2O_3で少量のAl_2O_3を添加すると室温でも立方晶が安定化されることは実用上重要な発見である。しかし、YSZに比べその焼結温度は高いのでその低温化が今後の課題である。また、Sc_2O_3は高価であるための他の希土類元素との混晶系も検討する必要があろう。
|
-
[Publications] Y.Takeda,: "Preparation and Characterization of Sr_<2-x>La_xFeO_4(0≦x≦1)" J.Mater.Chem.,. 4. 19-22 (1994)
-
[Publications] Y.Takeda,: "Stability of La_<1-x>A_xMnO_<3-z>(A=Ca,Sr)as Cathode Materials for Solid Oxide Fuel Cells" Solid State Ionics,. 72. 257-264 (1994)
-
[Publications] O.Yamamoto,: "Zircohia based Solid Oxide lon Conductors in Solid Oxide Fuel Cells" Solid State lonic Materials,(World Scientific Publishing Co). 51-58 (1994)
-
[Publications] Y.Takeda,: "Relationship between the Electrical Properties and Crystal Structure of (Lal-xNdx)CrO3(0 × 10)" J.Solid State Chem.,. 114. 236-241 (1995)
-
[Publications] O.Yamamoto: "Chambridge University.,Chambridge," Solid State Electrochemistry"ed.P.G.Bruce Chapler ll,."Applications"P282-332, 400 (1994)