1995 Fiscal Year Annual Research Report
ジルコニアを基体とした新規な高酸化物イオン導電性固体の開発
Project/Area Number |
06453121
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山本 治 三重大学, 工学部, 教授 (70023116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 保雄 三重大学, 工学部, 助教授 (60093051)
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Keywords | 固体電解質 / 酸化物イオン導電体 / 安定化ジルコニア |
Research Abstract |
固体酸化物燃料電池(SOFC)は構成材が全て固体あるためシステムが簡単となりケ かっ良質な廃熱が得られる等の利点があるので最も期待されている次世代の発電方式である。しかし、作動温度が現時点では1000°ケ と高い。この作動温度は電解質として用いる固体酸化物イオン導電体に基因する。本研究ではSOFCの作動温度の低温化を目指すための高酸化物イオン導電性固体の探索を行った。とくに、高い酸化物イオン導電が期待できるSc_2O_3-ZrO_2系について検討した。この系は極めて焼結が困難であるが、共沈法で微細な粉体を作製しかっ少量の焼結助剤としてAl_2O_3を添加することにより理論密度の95%以上の焼結体が得られた。室温ではSc_2O_36-9mol%の組成範囲で立方晶が、10mol%以上で稜面体晶が得られた。しかし、いずれの組成でも高温では立方晶となつた。導電率の組成変化について検討した結果、1000°ケ ではSc_2O_311mol%で最大の導電率が得られた。この組成の導電率の温度変化によると、約650°ケ で稜面体晶から立方晶への転移による導電率の急激な上昇が観測された。なほ、Sc_2O_311mol%の稜面体晶を示す組成に約0.3と少量のAl_2O_3の添加で室温でも立方晶が安定化され650°ケ 近くでの導電率の急変は認められなくなつた。ZrO_2-Y_2O_3系ではY_2O_3含量が7-9molでは1000°ケ でアニールする事により導電率の経時変化が認められたが、ZrO_2-Sc_2O_3系でもSc_2O_3の低組成では同様な経時変化が認められたが、Sc_2O_311mol%では数千時間にわたり導電率の変化は認められなかつた。これらの結果から、Sc_2O_311mol-ZrO_289%は優れたSOFC電解質であることが認められた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山本 治: "Electrical conductivity of stabilized zirconia with ytterbia and scanidia" Solid State Ionics. 79. 137-142 (1995)
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[Publications] 山本 治: "Characterization of the Sc_2O_3-ZrO_2 system and its application as the electrolyte in planar SOFC" Proceedings of the 4th International Symposium on Solid Oxide Fuel Cells. 301-309 (1995)
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[Publications] 山本 治: "Solid state electrochemistry Chap.11 Applications" Cambridge University Press, 40 (1995)