1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規チオ,セレノ,テルロカルボン酸誘導体の分子設計と新合成法の開発
Project/Area Number |
06453127
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Research Institution | GIFU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 晋二 岐阜大学, 工学部, 教授 (40021589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 貴宏 岐阜大学, 工学部, 助手 (30234157)
村井 利昭 岐阜大学, 工学部, 助教授 (70166239)
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Keywords | カルコゲノカルボン酸 / テルロカルボン酸 / 金属塩 / セレノヒ素化反応 / 芳香族セレノチオ酸エステル |
Research Abstract |
近年、カルボン酸のイオウ、セレン及びテルル同族体である一連のカルコゲノカルボン酸誘導体は医薬、特に脳神経ブロック剤などの生理活性作用を有し、更に工業原料として高感度写真フィルム感光助剤、潤滑油添加剤のみならず液晶としても優れていることが示され注目を集めている。しかしこの様に有用な化合物群もその基本的物性に対する合成化学面からのデータは乏しい。そこで本研究ではそのようなデータの蓄積を目的とした。その結果、本年度は以下の様な新しい知見が得られた。 1、新規チオ、セレノ及びテルロカルボン酸リチウム、ルビジウム、セシウム塩類の合成とX線構造解析に成功した。その結果、これらの塩は固体状態では金属がイオウ、セレンあるいはテルル原子上に局在化した構造に近いことがわかった。 2、テルロカルボン酸を対応するセシウム塩と塩化水素と反応させることにより低温で発生させることに成功した。発生させた酸は極性溶媒中ではテルロキソ型で存在し、無極性溶媒中ではテルロール型で存在することがわかった。同様の現象はチオカルボン酸やセレノカルボン酸でも確認された。 3、セレノカルボン酸ヒ素エステルは末端アセチレンに位置及び立体選択的に付加することがわかった。 4、一連の芳香族セレノチオ酸エステルを合成しその安定性を検討した。これらは対応する脂肪族エステルより安定性は低下し、空気中で容易に酸化を受けることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 加藤晋二: "Synthesis of Rubidium and Cesium Tellurocarboxylates and X-ray StrucuralAnalysis of Heavy Alkai Metal Monochalcogenocarboxylates" Bull. Chem. Soc. Jpn.,. 68. 3507-3517 (1995)
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[Publications] 加藤晋二: "Thion(RCSOH), Selenon(RCSeOH)and Telluron Acids(RCTeOH)as Predominant Species" J.Am. Chem. Soc.118(in press). (1996)
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[Publications] 加藤晋二: "Preparation of Bis(phosphine)-bis(selenocarboxylato)-nickel(II), Palldium(II)and platinum(II)complexes and their X-ray Crystal Structure Analysis" J.Chem. Soc. Dalton Trans. I. (in press). (1996)
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[Publications] 村井利昭: "Selective Allylations of Selenothioic Acid S-Alkyl Esters with Allylic Bromides" Chem. Lett.,. 1057-1058 (1995)
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[Publications] 村井利昭: "Reaction of Selenoic Acid O-Methyl Esters with Aluminum Thiolates Leading to Aromatic Selenothioic Acid S-Alkyl Esters and Their Characterization" J.Org. Chem.,. 60. 2942-2945 (1995)
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[Publications] 神田貴宏: "Selenoarsenation of Alkynes" Organometallics. 14. 4975-4976 (1995)