1994 Fiscal Year Annual Research Report
キラルフェロセン環をもつカルコゲン化合物の合成と新機能発現
Project/Area Number |
06453136
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
植村 栄 京都大学, 工学部, 教授 (70027069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 浩一 京都大学, 工学部, 助教授 (90213636)
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Keywords | フェロセン / ダブルキラル / 有機ジカルコゲニド / ヒドロシリル化 / カルコゲノエステル / 液晶 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下の二点である。一点は下図に示すキラルなフェロセン環をもつ種々の有機カルコゲン化合物(軸不斉と環上の不斉点からなるダブルキラルのもの)の合成に成功した。カルコゲン(M)としてはS,Se,Teであり、キラル基R^*としては主として1-(ジメチルアミノ)エチル基である。このようにして合成した有機ジカルコゲニドがRh(I)-やIr(I)-錯体触媒によるケトンやイミンのヒドロシリル化反応において不斉リガンドとして働き、光学活性なアルコールやアミンをエナンチオ選択性高く与えることを見出した。これらの結果についてはイギリス化学会の速報誌に報告し、また、現在、論文としてまとめている。もう一点はこれらのダブルキラルな化合物を長鎖芳香族カルボン酸クロリドと反応させ、新規なカルコゲノエステルを合成し、その液晶機能発現を期待する研究を行ったことである。光学活性なエステルの合成には未だ成功していないが、キラル基をもたないフェロセニルセレン基を導入したセレノエステルの合成に成功した。この新規化合物が液晶性を示すことが明かとなり、現在、さらに研究を進めている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Uemura,S.: "The First Example of Chirality Tronsfer in Allylic Telluroxides-Possible[2,3]-Sigmatropic Rearrangement" Tetrahedron Lett.
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[Publications] Uemura,S.: "Asynmetric Synthesis and Highly Diastereoselective ortho-Lithiationb of Oxazalmnylferrocene" Synlett. 79-81 (1995)
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[Publications] Uemura,S.: "Rhodium(I)-catalyzed Asymmetric Hydrosilylation of Ketones using New DiferrocenylDichelogenides(R,S)-{〔EC_5H_3CHMe(NMe_2)〕Fe(C_5H_5)}_2(E=S,Se,Te),as chirat Ligands" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1375-1376 (1994)
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[Publications] Uemura,S.: "Syntheses and Reactivifies os Ferrocenyl OrganylTellurides" J.Organomet.Chem.473. 205-213 (1994)
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[Publications] Uemura,S.: "Synthesis of Chiral Diferrocenyl Diselenides and Their Application to Asymmetric Reactions" Tetrahedron'Lett.35. 3115-3118 (1994)