1994 Fiscal Year Annual Research Report
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06453146
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
井上 祥平 東京理科大学, 工学部, 教授 (20010762)
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Keywords | アニオン重合 / ランタノイド / ランタノイド錯体 / ランタノイドアルコキシド / イソシアナ-ト / 高分子量ポリマー |
Research Abstract |
高性能な高分子材料の設計において、構造が明確で、かつ高分子量のポリマーを合成することは、非常に興味深い課題である。そのためには、高活性な重合開始剤の開発が必須であるが、高度な分子量制御を可能にする開始剤の例は少ない。研究代表者らは、これまでに、アルミニウムを中心に有するポルフィリン錯体が多様なモノマーのリビングアニオン重合を引き起こし、相当するポリマーを分子量のよく揃った形で与える優れた重合触媒(開始剤)となることを見いだしてきた。この重合反応は、開始剤の中心金属-軸配位子結合にモノマーが挿入する形で進行するので、中心金属の種類や、ポルフィリン環の構造により、成長末端の反応性が大きく変化することが期待される。そこで、本研究は、中心金属として高い陽性と遷移金属としての性質を合わせ持つランタノイドを有するポルフィリン錯体を分子設計し、それらを開始剤に用いることにより重合反応を制御し、分子量の制御された高分子を合成することを目的とする。ポルフィリンの中心金属に用いるランタノイドは、電気陰性度が小さい、イオン半径が大きい、4f軌道に電子を有する、などの特徴を持つことから、近年有機合成化学において、より効率的な反応への利用を目指した研究が行なわれている。高分子合成の分野においても、ランタノイド化合物を重合反応の開始剤への利用が期待され活発に研究されるようになってきたが、その成功例は未だに少なく、それぞれの開始剤系を適用できるモノマーの範囲も限られている。平成6年度は、ランタノイド錯体による重合反応に関する基礎的な知見を得るために、ランタンアルコキシドを開始剤とするイソシアナ-トの重合を試みた。その結果、反応は速やかに進行し、条件をうまく設定することによってこれまでほとんど例のない平均分子量が数十万に達する高分子量のポリマーを容易に合成できることを見いだした。
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[Publications] D.Takeuchi: "Lewis Acid-Promoted Anionic Polymerization of a Monomer with High Cationic Polymerizability.Synthesis of Narrow MWD Polyoxetane and Polyoxetane-Poly(methyl methacrylate)Block Copolymer with Aluminum Porphyrin Initiators." Macromolecules. 28. 651-652 (1995)
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[Publications] H.Sugimoto: "Lewis Acid-Prmoted Living Anionic Polymerization of Alkyl Methacrylates Initiated with Aluminum Porphyrins.Importance of Steric Balance between a Nucleophile and a Lewis Acid." Macromolecules. 27. 3672-3674 (1994)
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[Publications] S.Inoue: "Speed Up and Control Living Polymerizations." CHEMTECH. May. 28-33 (1994)
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[Publications] M.Akatsuka: "High-Speed “Immortal" Polymerization of Epoxides Initaited with Aluminum Porphyrin.Acceleration of Propagation and Chain-Transfer Reaactions by a Lewis Acid." Macromolecules. 27. 2820-2825 (1994)
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[Publications] H.Sugimoto: "Lewis Acid-Assisted Anionic Ring-Opening Polymerization of Epoxide by the Aluminum Complexes of Porphyrin,Phthalocyanine,Tetraazaannulene,and Schiff Base as Initiators." Macromolecules. 27. 2013-2018 (1994)