1994 Fiscal Year Annual Research Report
π-配位子系に基づく新規リビングカチオン重合-重合制御の一般原理の確立
Project/Area Number |
06453149
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
澤本 光男 京都大学, 工学部, 教授 (90150325)
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Keywords | カチオン重合 / リビング重合 / π-配位子系 / 生長炭素カチオン / 重合触媒 / ビニルエーテル / スチレン / イミダゾール |
Research Abstract |
本研究は、「π-配位子系による炭素カチオンの安定化」という新概念に基づき、ビニル化合物のリビングカチオン重合を可能とする新規開始剤系の開発を目的とする。平成6年度は、主としてビニルエーテルおよびスチレンの重合において、このようなπ-配位子系を系統的に探索した。 (1)ホウ素アニオン塩による炭素カチオンの安定化 塩化水素/四塩化スズ開始剤系によるイソブチルビニルエーテルの重合は、通常の条件下では急速な重合が起こりリビング重合とはならないが、ここにπ-配位子系として、芳香環を持つホウ素アニオン塩を添加すると、分子量分布が狭く、分子量の規制されたリビングポリマーが生成することを見いだした(式1)。ホウ素アニオンの種々の類縁体を検討した結果、芳香環にフッ素を持つ塩が特に有効であることを明らかにした。さらに、同じ開始剤系によるスチレンの重合においても同様な結果を得た。 (2)イミダゾール誘導体による炭素カチオンの安定化 (1)と同様な重合条件下で、ホウ素塩とは構造の全く異なるπ-配位子系として、ブチルイミダゾールおよびその誘導体を添加剤として用いても、スチレンのリビングカチオン重合が可能となることを見いだした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Mitsuo Sawamoto: "Titanium-Based Lewis Acids for Living Cationic Polymerizations of Vinyl Ethers and Styrene" Macromolecular Symposia. (印刷中).
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[Publications] Mitsuo Sawamoto: "Living Cationic Polymerizations of Styrene and Vinyl Ethers via Lewis Acidity Modulation with Nucleophiles and Ligands" Polymer Preprints(Am.Chem.Soc.,Div.Polym.Chem.). (印刷中).
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[Publications] 澤本 光男: "ホウ素アニオン塩を用いたスチレンのリビングカチオン重合" 高分子学会予稿集. 43. 211 (1994)
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[Publications] 澤本 光男: "スチレンのリビングカチオン重合の新規開始剤系の開発:ルイス酸活性化剤と添加物の探索" 高分子学会予稿集. 43. 1902-1903 (1994)
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[Publications] 澤本 光男: "窒素塩基存在下でのスチレンのリビングカチオン重合:置換イミダゾールの効果" 高分子学会予稿集. 44. IIPc001 (1995)