1994 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素による石炭表面の改質とその高度石炭精製への応用
Project/Area Number |
06453157
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
恒川 昌美 北海道大学, 工学部, 教授 (40002026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広吉 直樹 北海道大学, 工学部, 助手 (50250486)
平島 剛 北海道大学, 工学部, 助教授 (00175556)
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Keywords | 石炭 / 二酸化炭素 / 表面改質 / 鉱物質 / 単体分離 / 粉砕 / 浮選 |
Research Abstract |
本研究は、CO_2による石炭表面の改質の効果とその機構について調べるとともに、この表面改質を利用して石炭浮選における浮遊性、脱灰性の改善を行い、石炭の燃焼に伴い生成するCO_2を用いた新しい石炭精製プロセスを開発しようとするものである。平成6年度は、ほぼ研究計画・方法に従って研究を進め、現在までに次のような結果と知見を得ている。また、浮選時のCO_2の利用について既往の文献を調査した。 1.石炭試料として中国産大同炭、アメリカ産Illinois炭、オーストラリア産Wandoan炭を用い、各試料について工業分析、元素分析、低温灰化試料のX線回折、高温灰化試料の化学分析、石炭中の鉱物質の粒度分布測定を行った。いずれの試料中にも石英、カオリナイト、バッサナイト、方解石が認められ、さらに大同炭には黄鉄鉱、Illinois炭には黄鉄鉱とイライトが存在した。200mesh以下まで粉砕した試料について主要な鉱物質の存在状態を調べ、単体分離度を求めたところ、大同炭の場合は石英:64.8%、黄鉄鉱:90.5%、カオリナイト:51.3%、Illinois炭の場合は石英:20.1%、黄鉄鉱:66.3%、カオリナイト:21.3%、Wandoan炭の場合は石英:86.1%、カオリナイト:31,5%、鉄酸化鉱物:99.8%であった。 2.各石炭試料について媒体攪拌ミル粉砕を行い、それぞれの粉砕性を把握した。また、石炭中の石英、黄鉄鉱、鉄酸化鉱物の総量とミル内部の摩耗に伴う灰分増加量との間には相関があることを見いだした。 3.各石炭試料をCO_2処理した後、浸漬時間測定を行い、いずれの石炭の表面もCO_2処理により疎水性の程度が高くなることを明らかにした。また、CO_2処理した石炭表面にCO_2吸着種が存在することを、フーリエ変換赤外分光法で確かめた。
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