1996 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素による石炭表面の改質とその高度石炭精製への応用
Project/Area Number |
06453157
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
恒川 昌美 北海道大学, 工学部, 教授 (40002026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広吉 直樹 北海道大学, 工学部, 助手 (50250486)
平島 剛 北海道大学, 工学部, 助教授 (00175556)
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Keywords | 石炭 / 二酸化炭素 / 表面改質 / 浮選 / 脱灰 / 方解石 / ドロマイト / 分離効率 |
Research Abstract |
昨年度までに、a)石炭をCO_2雰囲気下に置くと、無煙炭、歴青炭や一部の亜歴青炭の表面は疎水性になり、浮選による回収率が上昇すること、b)浮選時に送気ガスとしてCO_2を用いると、これらの石炭の浮遊率は空気送気の場合より高くなること、c)しかし、このCO_2の効果の程度は、石炭の種類や随伴する鉱物質の種類により異なること、等を明らかにした。そこで本年度の研究では、方解石、ドロマイトを多く伴う神木炭を試料として用い、その浮選挙動と脱灰性に及ぼすCO_2の影響について検討した。以下に、得られた主な知見を述べる。 1)浸漬時間を測定し、石炭表面の濡れ性に及ぼすCO_2前処理の影響を調べたところ、最も疎水性の表面を有するのは脱気・CO_2処理炭であり、ついでCO_2処理炭、未処理炭の順であった。この結果は、CO_2雰囲気下に置くと石炭表面がより疎水性になることを示している。 2)各処理炭について送気ガスとして空気を用いて浮遊すると、脱気・CO_2処理炭の場合に最も高い可燃成分回収率が得られた。ついでCO_2処理炭、未処理炭の順であり、可燃成分回収率は上述の疎水性の程度とよく一致した。また、CO_2を送気して浮選をすると、いずれの試料についても可燃成分回収率は空気の場合より高くなった。 3)試料の前処理法は、分離効率にほとんど影響を及ぼさなかった。分離効率は送気ガスにより異なり、CO_2の場合の方が高かった。これは、CO_2を用いた方が低い浮選pHになることによるものであり、分離効率はpHの低下に伴い高くなった。石炭中の鉱物質の中で炭酸塩のように酸に可溶の成分は、低pH領域で溶出する。この溶出による灰分の低下を調べ、浮選結果と比較したところ、浮選精炭の灰分の方が低かった。
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