1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06453159
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石塚 皓造 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (60101317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 宏 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (10199888)
小林 勝一郎 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (40087606)
山下 魏 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (00038259)
臼井 健二 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (80087585)
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Keywords | アミノレブリン酸 / ポルフィリン / クロロフィル生合成 / 光増感作用 |
Research Abstract |
本研究は、植物のある種の生体成分が光の存在下で増感作用を示し、植物の生長に抑制的に作用する場合があることに注目し、この物質と反応機構を解析することによって、それらを実際的な植物の生長背御に利用することの可能性を明らかにしようとするものである。 まず本年度においては、植物体内における光化学反応に係わる物質の中から、クロロフィル合成系の中間体、および、合成系の調節機能をもつ物質の植物生育への影響を調べた。このうち合成系の前駆物質であるアミノレブリン酸(ALA)に特に強い、他のポルフィリン数種に弱い生育抑制活性が見出された。ALAの作用機序について検討した結果、ALAによってクロロフィル合成中間体のポルフィリンが何種か蓄積し、それらの光増感作用が植物の被害の要因であると考えられた。また、蓄積するポルフィリン種と作用との関係を解析した結果、プロトポルフィリンIXが作用発現の主要因であると推定された。このポルフィリンを植物体に直接処理した場合はALAに比べて作用が弱く、吸収性に問題があるものと思われた。 これらの結果から、クロロフィル色素合成系を構築する中間体については、植物が生産し、かつ、体内に常時存在する物質でありながら、外部から処理すると植物を枯殺してしまうような性質をもつものがあることが明らかになった。これは生体成分の利用に新しい局面を開くものとして注目される結果である。
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