1994 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白脱リン酸化酵素阻害剤トートマイシンの作用機構に関する化学的研究
Project/Area Number |
06453172
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市川 善康 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60193439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 郁子 名古屋大学, 農学部, 助手 (40247680)
西川 俊夫 名古屋大学, 農学部, 助手 (90208158)
磯部 稔 名古屋大学, 農学部, 教授 (00023466)
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Keywords | 蛋白脱リン酸化酵素阻害剤 / トートマイシン / 立体制御合成 / 分子力場計算 / 立体配座解析 / 活性発現機構 |
Research Abstract |
蛋白脱リン酸化酵素阻害剤トートマイシンから逆合成した3つのセグメントA、B、Cの立体選択的合成に成功した。Evansの不斉アルドール反応を改良して、合成ステップを従来法に比べて2段階短縮した。これによって、大量合成によるセグメントAの供給が可能となった。アミノ酸D-バリンを出発原料として、立体選択的四酸化オスミウム酸化反応を用いてセグメントBの有する3つの不斉中心を構築した。そしてジチアンアニオンとエポキシドとのカップリング反応を用いてセグメントBの合成を完了した。ピラノース糖を出発原料とし、コバルト錯体を用いた疑エナンチオ選択的ヘテロ共役付加反応を開発して、セグメントCの立体制御合成を完了した。またスルホンカルバニオンとエポキシドの反応、改良山口法を用いたエステル化反応によってセグメントA、B、Cをカップリングした。これによってトートマイシンの有するすべての炭素骨格と不斉中心が揃った化合物を得た。現在、最終段階である無水マレイン酸部分の構築と脱保護を検討中である。また平行して合成中間体を用いてトートマイシンの活性発現に必要と推定される合成誘導体を調製した。この化学合成品を用いて阻害活性の評価、分子力場計算と超伝導核磁気共鳴装置による立体配座解析を行い、活性発現機構の解明を目指している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Naganawa,A.: "Synthetic Studies on Tautomycin……Synthesis of 2,3-Disubstituted Maleic Anhydride Segment." Tetrahedron. 50. 8969-8982 (1994)
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[Publications] Isobe,M.: "Heteroconjugate Addition at C-1 Position of Pyranose Derivative,Pseudoenantiomeric Methodology for Asymmetric Induction." Tetrahedron Lett.36. 567-570 (1995)
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[Publications] Isobe,M.: "Sugar Acetylene for New Stereocontrolled Synthesis." Yukigousei Kagaku Kyoukaishi. 52. 968-979 (1994)
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[Publications] Jiang,Y-M: "Synthesis of Segment C of Tautomycin" Synlett. (1995)