1995 Fiscal Year Annual Research Report
スーパーオキシドディスムターゼ機能をもつ新規金属錯体の合成
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06453191
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長野 哲雄 東京大学, 薬学部, 助教授 (20111552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増野 匡彦 東京大学, 薬学部, 助手 (90165697)
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Keywords | スーパーオキシド / スーパーオキシドディスムターゼ / 錯体 / スピンクロスオーバー錯体 / 抗炎症作用 / パラコート / 抗酸化作用 |
Research Abstract |
酸素は人間にとって必要欠くべからざる分子であるが、その一方で、生体内の各部位細胞内の各小器官で酸素から活性酸素種が生成し、それにより酸素毒性が発現することが知られている。本研究はこの酸素毒性の本体であるスーパーオキシドを効率よく消去する活性(SOD活性)を持つ新規金属錯体の開発・合成を行い、それらの医薬品への応用の基礎を固めることを目的としている。本研究の特徴として金属錯体化学の素反応の解析に基づいたドラッグデザインを行う点、また開発したSOD機能を持つ錯体を実用的医薬品へ応用する点が挙げられる。平成6年度までに20数種の新規配位子を合成し、それらに対応する金属錯体を調製し、SOD活性を測定した。その結果、構造と活性の相関が得られた。平成7年度は実用的応用を考え、より簡便なSOD活性測定法として96穴のマイクロプレートリーダーを用いる方法を開発した。本方法は細胞内にスーパーオキシドを発生させ、その毒性を軽減する活性としてSOD活性を測るもので96穴プレートを使うことにより2〜3種の化合物のCombinationとして検索することも可能となった。その結果、Fe-TPEN+VitaminEの組合せによりスーパーオキシド毒を完全に消去することができた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Tetsuo Nagano: "Toxicity of Singlet Oxygen Generated Therm Lolytically in Escherichiacoli" Chem.Pharm.Bull.41. 883-887 (1994)
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[Publications] Kumi Arakame: "pH Lowering in Liposomal Dispersion Induced by Phospholipid Peroxidation" Chem.Pharm.Bull.43. 1755-1758 (1995)
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[Publications] Kimie Hayashi: "Alkyl Chain Length Dependency in Hydrolysis of Liposomal Phosphatidylcholine by Diulkylphosphate" Chem.Pharm.Bull.43. 1751-1754 (1995)
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[Publications] Hiroshi Hayakawa: "Endothelium-derived Relaxing Factors in the Kidneys of Spontaneously Hypertensive Rats" hife Sci.56. 401-408 (1995)
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[Publications] Tetsuo Nagano: "Reaction of Nitric Oxide with Amines in the Presence of Dioxygen" Tetrahedron Lett.(印刷中).
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[Publications] Kumi Arakane: "Measurement of 1268nm Ewuisin for Comparisn of Singlet Orygen Production Efficiency of Various Dyes" Chem.Pharm.Bull.(印刷中).
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[Publications] 長野,哲雄: "スーパーオキシドディスムターゼ発見物語" 東京化学同人, (1995)
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[Publications] 田村,正和: "SODと鉄錯体" 日本化学会, 12 (1995)