1996 Fiscal Year Annual Research Report
光アフィニティーラベルによるオピオイドレセプターの薬物受容部位解析
Project/Area Number |
06453193
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
畑中 保丸 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助教授 (30111181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手塚 康弘 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助手 (70236975)
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Keywords | 光アフィニティーラベル / オピオイドレセプター / ジアジリン / カルベン / 化学発光 / アビジン / ビオチン / 構造機能相関 |
Research Abstract |
【研究目的】オピオイドレセプターのクローニング成功により、このレセプターを分子レベルで研究する上での強力な手段が提供された。この結果、キメラレセプター・部位特異的突然変異などの遺伝子工学的手法を用いた機能構造の解析が可能となり、オピオイドの受容部位に関する構造生物学的知見が集積されつつある。一方次の段階として、このようなミュータントレセプターの解析から推定された結果を、本来のレセプター蛋白質で検証する研究が極めて重要となるが、この目的に光アフィニティーラベルは現在最も有力な手段の一つである。本研究は、我々のイオンチャンネルにおける最新の研究成果から生まれた、新しい光アフィニティーラベル法を発展的に応用することにより、オピオイドレセプターの薬物受容部位の化学的な解析を追究するものである。 【平成8年度の研究成果】平成7年度に合成したビオチン化ジアジリンを有する光反応性ナルトレキソン誘導体は、レセプター蛋白質への高い親和性を有することが確かめられており、本研究の最大の特徴である、アビジン-ビオチン系を活用する効率的な光ラベルを実施するための道が開けた。したがって本年度は、この試薬により可能となるアビジン-ビオチン系を利用するアプローチを種々検討し、新しい方法論の確立に努めた。また、ラベル試薬はμ、δ、及びκレセプターのいずれにも親和性を有するので、レセプタータイプ間で共通すると考えられているオピオイド結合部位の解析に有用と考えられる。この目的に、各サブタイプを単一に有する実験系を用いる方針で、NG108-15培養細胞およびリコンビナントデルタレセプターの光ラベルを検討し、その特異的ラベルに成功した。本年度は以上のようにビオチン基を有する実用型光アフィニティープローブの応用を中心に検討し、本研究の本年度目標を達成した。
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[Publications] Y.Hatanaka: "Diazirine Based Photoaffinity Labeling : Chemical・・・・・" Revies on Heteroatom Chem.14. 213-243 (1996)
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[Publications] Y.Hatanaka: "Synthesis and Characterization of a Carbene-Generating・・・・" Chem.Pharm.Bull.44. 1111-1114 (1996)
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[Publications] Y.Hatanaka: "Photocrosslinking of b-1,4-Galactosyltransferase・・・・・" Photomedicine and Photobiology. 18. 119-120 (1996)
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[Publications] Y.Hatanaka: "Synthesis and Characterization of a Carbene-Generating・・・・" Carbohydr.Res.294. 95-108 (1996)