1994 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造解析に基づくカテプシンL選択特異的阻害剤の分子設計
Project/Area Number |
06453194
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
石田 寿昌 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (00111021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友尾 幸司 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (70257898)
尹 康子 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (50257896)
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Keywords | カテプシンL / プロカテプシンL / 遺伝子組み換え / 発現 / X線解析 / 阻害剤 / 分子設計 |
Research Abstract |
本年度は,(1)以前からの研究に続きでgene10遺伝子と2種類のプロカテプシンL遺伝子を含むプラスミド(プロ体を27残基含むpMALECLプラスミドとプロ体を2残基含むpMALPCLプラスミド)を大腸菌中で発現させ,融合蛋白質を大量に発現させた.(2)これらgene10タンパク質との融合蛋白質から目的のプロカテプシンLのFactorXaによる切断と単離を試みた。種々検討した結果、0.5M NaCl含有20mM Tris-HCL(pH7.5)緩衝液を用い,融合蛋白質に対し1/400量のFactor Xaを用い,25℃,24時間かけて消化させた場合,比較的多くのプロカテプシンLを得ることに成功した.(3)単離されたプロカテプシンLのカラムクロマトグラフィーによる精製法を確立させた.(4)得られた2種類の組み換えプロカテプシンLの酵素活性を,基質としてZ-Phe-Arg-NMecを用い,Barrett and Kirschkeの方法に従い測定した.その結果,両タンパク質は共に活性を有していることが確認された.また.プロ体を2残基含むプロカテプシンLの方が,27残基含むプロカテプシンLよりより活性が高いことも示された.(5)我々は既に分子設計し、比較的カテプシンLに対し比較的高い選択性を示すと思われる共有結合性の阻害剤(CA化合物)を合成しているので,この阻害剤と今回得られた組み換えプロカテプシンLとの複合体を作成した(複合体生成によりプロカテプシンLの活性は消滅する)・現在,その結晶化溶媒の検索と結晶化条件の確立を目指している.以上,H6年度においては予定していた(1)〜(4)の研究計画項目を完成させた.しかし,(5)および複合体結晶の構造解析はH7年度にずれ込む結果となった.H7年度はその構造解析と,それに基づき,本研究課題であるカテプシンL選択特異的阻害剤の分子設計を完成させるべく鋭意研究を進める予定であります.
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