1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454002
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
北里 洋 静岡大学, 理学部, 教授 (00115445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 聡 静岡大学, 理学部, 助手 (10236812)
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Keywords | 底生有孔虫類 / 形態解析 / 分子生物学 / DNA / 塩基配列 / PCR法 / 形態進化 / 分子進化 |
Research Abstract |
本研究は、底生有孔虫の殻形態をDNAの塩基配列に基づいて分子生物学的見地から評価しようとするものである。研究は、有孔虫がどのような殻形態を持っており、それがどのような変異を示すのかを理解することと、DNA解析を行うことの2方向から進めている。平成6年度は、有孔虫の形態解析とクローン飼育を行いながら、有孔虫細胞からDNAを抽出し、PCR法で増幅することを目指した。 有孔虫の形態解析はAmmonia,Glabratella,Elphidium,Pararotaliaについて行った。Elphidiumは温度・塩分などの環境条件を変えてもほとんど外部形態が変化しないが、Pararotalia,Ammoniaは温度条件を変えると、殻の巻き方に変異が現れた。このように、有孔虫には、環境条件によって形態変異が現れる種群と形態が遺伝的に安定している種群とがある。DNA解析には、双方の種群から材料を選択することによって、より有孔虫の殻形態が持っている意味にアプローチできる。飼育は、粗放飼育、粗飼育、クローン飼育と流れる飼育システムを確立し、クローン個体群を確保した。 有孔虫のPCR法については、すでに公表された論文を検討するとともに、1994年7月にカリフォルニア大学バークレー校で開催された有孔虫国際会議の折りに、すでに研究を開始しているアメリカおよびスイスの研究グループと接触して実験方法に関する情報を得た。以上の情報に基づき実験マニュアルを作成し、10月よりDNAの抽出を開始した。プライマーは原生生物一般向けの万能型をまず使用して抽出を試みたところ、Glabratella nakamuraiからDNAを抽出することに成功した。また、ダイレクトシークエンシングを行い、DNAの塩基配列を読むことが出来た。したがって、ほぼ実験方法を確立した。
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Research Products
(1 results)