1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454004
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
舘田 英典 九州大学, 理学部, 助教授 (70216985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁田坂 英二 九州大学, 理学部, 助手 (60222189)
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Keywords | レトロポゾン / SINE / LINE / Iエレメント / 分子進化 / 集団遺伝学 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
1.SINEの増幅がどのように起こっているのかを推定する目的で、モデルの解析を行い、その結果に基づいてヒトのAlu配列Sbサブファミリーのデータを解析した。増幅の様式に関して、マスターコピーモデル、全てのエレメントが増幅能力を持つというトランスポゾンモデル、その中間のモデル三つのモデルで核塩基座位での変異頻度の分散を計算したところ、どのモデルの場合でも増幅期間が短いことを仮定すればAlu配列Sbサブファミリーのデータを説明できることがわかった。一方、変異頻度が他の座位より有意に高い座位が複数見つかったことから、増幅可能なエレメント上で突然変異が幾つも起こっていることがわかった。マスターコピーモデルや少数の増幅可能エレメントを仮定するモデルでしかも増幅期間が短い場合にこのようなデータが得られる確率は低い。これらの考察から、ヒトのAlu配列Sbサブファミリーは、複数の増幅能力を持つエレメントが短期間に増幅を行って形成されたことが推測された。 2.キイロショウジョウバエ集団内から数系統、キイロショウジョウジョウバエ種亜群の他の数種から1系統ずつ選び、それぞれIエレメントを複数個ずつクローニングして塩基配列を決定した。その結果キイロショジョウバエからとられたエレメントは、染色体上で動原体付近にあるものとそうでないものの二つのグループに分けられることがわかった。前者のグループではエレメント同志の間で多量の塩基置換が蓄積しており、比較的古い時期、おそらく種亜群の分岐以前に挿入が起こったと考えられる。一方後者のグループのなかでは変異は少なく、しかもオナジショウジョウバエのエレメントとの間に一つも置換が起こっていないものが見つかったことから、このグループは比較的最近おそらくオナジショウジョウバエ集団から水平感染によってキイロショウジョウジョウバエ集団内に広がったと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Tachida: "Decay of linkage disequilibrium in a finite idsland model." Genetical Research. 64. 137-144 (1994)
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[Publications] Newfeld,S.J.: "Drive-selection equilibrium:Homopolymer evolution in the Drosophila gene mastermind." J.Mol.Evol.38. 637-641 (1994)
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[Publications] Nitasaka,E.: "The relationship between DNA structural variations and acivities of P elements in P and Q strains of Drosophila melanogaster." Heredity. 73. 608-615 (1994)