1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454005
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Research Institution | TOKYO METROPOLITAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
駒野 照弥 東京都立大学, 理学部, 教授 (00087131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 伸久 東京都立大学, 理学部, 助手 (50244413)
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Keywords | プラスミドR64 / 接合伝達 / シャフロン / 細線毛 |
Research Abstract |
接合伝達は、細菌細胞種内、種間の遺伝物質の移行に関与しており、細菌における遺伝物質の交換ひいては進化を考察する上で重要な過程である。R64の接合伝達領域(54kb)には49個の遺伝子の存在する。全遺伝子に挿入または欠失変異を導入して接合伝達に対する影響を調べ、表面接合伝達には24個の遺伝子が必須であり、液内接合伝達にはさらに12個の遺伝子が要求されることが明らかになった。液内接合伝達にのみ要求される12遺伝子はR64細線毛の産生に関与している。細線毛を精製して調べた結果、R64細線毛はpiIS,piIV遺伝子産物から構成されていることが明らかになり、R64細線毛がIV型線毛に属することが推定された。多数のpiIS突然変異を分離しpiIS遺伝子産物の構造と機能の関係を調べた。シグナル配列の切断に欠損を持つpiIS変異や、伝達活性の低下したpiIS変異が分離された。R64シャフロンのDNA再編成はpiIV遺伝子のC-末端部を変換させ、液内接合伝達における受容菌の特異性を決定する。大腸菌K-12、サルモネラrfa変異株を受容菌とした実験や、大腸菌B株にK-12株由来のrfa遺伝子を導入して受容菌とした実験から、piIVタンパクに対する受容体は細菌のリポ多糖コアであると推定された。シャフロンの組換え酵素rci遺伝子を大量発現させ、その産物を精製し、Rciタンパクを用いた試験管内DNA組換え反応に成功した。またRciタンパクのシャフロン特異的組換え配列への特異的結合も認められた。2個のR64oriT配列を直列に持つプラスミドを作成し、可動化実験を行ったところ、プラスミドの伝達によるoriT配列間を欠失する組換え現象が発見された。また供与菌中でのrecA非依存でnikAB依存の、伝達によらない欠失も認められた。
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[Publications] Furuya,N.and T.Komano: "Specific binding of NikA protein to one arm of 17-base pair inverted repeat sequence within oriT of plasmid R64" Journal of Bacteriology. 177. 46-51 (1995)
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[Publications] T.Komana et al.: "Mating variation by DNA inversions of shufflon in plasmid R64" Advances in Biophysics. 31. 181-193 (1995)
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[Publications] Furuya,N.and T.Komano: "Nucleotide sequence and characterization of the trbABC region of the IncI1 plasmid R64." Journal of Bacteriology. 178. 1491-1497 (1996)
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[Publications] N.Tojo et al.: "Integration of bacteriophage Mx8 into the Myxococcus xanthus chromosome causes a structural alteration at the C-terminal region of the IntP protein." Journal of Bacteriology. 178. 4004-4011 (1996)
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[Publications] M.Ogawa et al.: "FruA,a putative transcription factor essential for the development of Myxococcus xanthus." Molecular Microbiology. 22. 757-767 (1996)
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[Publications] A.Gyohda et al.: "Analysis of DNA inversions in the shufflon of Plasmid R64." Journal of Bacteriology. 179(in press). (1996)