1994 Fiscal Year Annual Research Report
マウス減数分裂における相同染色体間組換え機構の研究
Project/Area Number |
06454006
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 助教授 (90171058)
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Keywords | マウス / MHC / 組換えのホットスポット / クラスIII領域 / クロマチン / DNaseI感受性 |
Research Abstract |
MHCクラスII領域における組換えは、ホットスポットと呼ばれるDNA部位に特異的に高発する。本研究は、何故ホットスポットに組換えが集中するのかその分子機構を解明し、さらに、MHC以外の染色体領域においてもホットスポットが普遍的に存在するか否かを明らかにすることを目指している。平成6年度の研究実績を以下概略する。1.組換えのホットスポットは、これまでMHCクラスII領域にのみ報告されてきた。NHCクラスIII領域の組換えについてもその切断点を詳細に調べた結果、この領域においても組換えがランダムではなく特定のDNA断片に限定して起こっていることが明らかとなった。この結果は、組換えのホットスポットが普遍的にマウス染色体上に存在している可能性を示している。2.MHCクラスII領域のホットスポットにおける組換えは、交配に用いるマウス系統の組み合わせによって著しく異なることがすでに知られている。この違いの原因を究明するために、組換え率に差異のあるマウス系統の組み合わせについて、ホットスポット部位の塩基配列を決定し解析した。この結果、組換え率は組換えに関わる二つの染色体上において塩基の置換がある場合よりもある程度の長さの挿入や欠失がある場合の方が、より大きく影響を受けることがわかった。3.組換えのホットスポットのクロマチン構造をDNaseIに対するの感受性の指標に解析したところ、酵母等で報告されているような明瞭な高感受性部位は検出されなかった。従って、哺乳動物におけるホットスポットと単細胞性真核生物のそれは、基本的に異なるメカニズムで生じていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoshino,M.: "No dose effect of recombinational hotspots in the mouse MHC" Immunogenet. 39. 381-389 (1994)
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[Publications] Shiroishi,T.: "Hotspots of homologous recombination in mouse meiosis" Adv.Biophysics.Japan Sci,Soc.Press/Elsvier,Tokyo/Limerick. 31. 119-131 (1994)
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[Publications] Shiroishi,T.: "Recombinational hotspots in H-2 haplotypes derived from Asian wild mouse(Review)" In Genetics in Wild Mice(Moriwaki,K.,Shiroishi,T.,and Yonekawa,H. eds),Japan Sci.Soc.Press/Karger,Tokyo/Basel. 141-152 (1994)
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[Publications] Yoshino,M.: "Recombination in the class III region of the mouse major histocompatibility complex" Immunogenet. 40. 280-286 (1994)