1994 Fiscal Year Annual Research Report
気孔孔辺細胞における光情報伝達機構に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
06454015
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島崎 研一郎 九州大学, 理学部, 助教授 (00124347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 道生 九州大学, 理学部, 助手 (00167537)
和田 元 九州大学, 理学部, 助教授 (60167202)
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Keywords | 気孔 / 孔辺細胞 / 青色光効果 / プロトンポンプ / ミオシン軽鎖キナーゼ / カルシウム / 蛋白質のリン酸化 |
Research Abstract |
光情報伝達の標的となる孔辺細胞原形質膜H^+-ATPaseの活性制御について調べた。単離したソラマメ孔辺細胞プロトプラストから遠心分離等によりミクロソーム膜画分を単離して、原形質膜H^+-ATPaseによるプロトン輸送活性を測定した。この輸送活性が生理的濃度のCa^<2+>に可逆的に阻害される事を見出した。その50%阻害に要する濃度は0.3μMであった。また、ソラマメ表皮にCa^<2+>キレーターであるEGTAを添加して孔辺細胞細胞質のCa^<2+>濃度を低下させると、気孔がひらいた。この気孔開孔はあらかじめ原形質膜H^+-ATPaseの阻害剤であるvanadateを添加しておくと阻害され、EGTAによる気孔開孔は細胞質のCa^<2+>濃度低下により原形質膜H^+-ATPaseが活性化されたためであると考えられた。 一方、我々の以前の研究により気孔の青色光情報伝達にその関与が示唆されたミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)の存在について調べた。孔辺細胞中にニワトリさのう由来のMLCKに対するポリクローナル抗体と反応する蛋白質が示された。孔辺細胞のライブラリを作製し、抗体スクリーニングを行ない2個のcDNAクローンを単離した。cDNAの制限酵素処理断片から判断するとこの2個のクローンは同一の遺伝子の断片または全部を持つと判断された。現在、この遺伝子のシークエンスを行なっている。 また、青色光照射によりリン酸化される蛋白質を見出した。この蛋白質はMLCK阻害剤を共存させておくとそのリン酸化が阻害された。この蛋白質を単離精製し、アミノ酸配列の決定を進めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Kinoshita: "Cytosokic Ca^<2+> regulates the plasma membrane H^+-ATPase in guard cells of fava bean" Plant Cell. (in press). (1995)
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[Publications] K.Shimazaki: "Methods in Cell Biology" Academic Press,Orland USA, (1995)