1995 Fiscal Year Annual Research Report
中国四川省と周辺に生息するサンショウウオ科4種についての系統・分類学的研究
Project/Area Number |
06454032
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Research Institution | TOHO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河野 晴一 東邦大学, 理学部, 教授 (70057644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片倉 正樹 弘前大学, 理学部, 助手 (50261425)
池部 千賀子 東邦大学, 薬学部, 講師 (30112907)
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Keywords | Batrachuperus pinchonii / Ranodon shini / Pseudohynobius flavomaculatus / Pseudohynobius tsinpaensis / Hynobiidae / サザンブロットハイブリダイゼーション / 系統・分類 / 染色体バンド法 |
Research Abstract |
細胞遺伝学的分析により、対象とした4種の染色体数はBatrachuperus pinchoniiが66、Ranodon shiniが66、Pseudohynobius flavomaculatusが52、Pseudohynobius tsinpaensisが66であった。染色体数のデータは、Batrachuperus pinchonii、Ranodon shiniについては既存のデータ(それぞれ2n=62、64)と異なり、他の2種については初めて検索されたものである。核型分析により、R shihiとP. tsinpaensisのそれが極めて類似していることが判明した。前3者から得られた染色体バンドパターン(得られたバンドパターンについては全く新しい知見である)と日本産のSalamanndorella kyeserlingii(中国東北部にも生息)のそれとを相互に比較検討した結果、相互に相同なバンドパターンをもつ染色体が存在することが判明した。種間で相同なパターンの占める割合が大きいほど、種間が近縁であると考えられる。ギムザ染色の核型分析のデータも含めて総合的に判断すると、これら4種の系統に関する細胞遺伝学的な分析からの結論は、R shihiとP. tsinpaensisが極めて近縁で次にP. flavomaculatusが続き、さらにB. pinchoniiが近く、S. kyeserlingiiが比較した5種の内で最も遠位にあることが判明した。 分子遺伝学的な解析は、まずそれぞれ抽出、精製した4種のDNAを制限酵素Dra I、ScrF Iで消化し電気泳動した泳動パターンの比較検討を行った。次に泳動したサンプルに、R shihiとP. flavomaculatusから得たそれぞれ0.59kbと0.39kbの高頻度反復配列のプローブを用いたサザンブロットハイブリダイゼーションのパターンを解析した。結果は、どのパターンもR shihiとP. tsinpaensisの示すパターンがほとんど同じであり、次に近いのがP. flavomaculatus、次に、B. pinchoniiが近く、S. kyeserlingiiがそれに続くという細胞遺伝学的分析と全く同じ結果を得た。今後、両分析とも数値に置き換えてその近縁の度合いを示すよう、現在検討を行っている。
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