1995 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー式セルプロセッサーを用いた効率的遺伝子導入植物作出法の開発
Project/Area Number |
06454042
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 一三 名古屋大学, 農学部, 助教授 (40023494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 富吉 名古屋大学, 農学部, 助手 (20158702)
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Keywords | レーザー式セルプロセッサー / 形質転換 / 生長点培養 / イネ / ペチュニア / 子葉 / 胚軸 |
Research Abstract |
植物の細胞や小さな組織片にレーザー光を照射することにより、非接触的に微小な孔をあけ、この孔から遺伝子DNAを取り込ませることにより、形式転換することを目的として作成された、レーザー式セルプロセッサーを用いて効率的に形質転換を行うための方法を確立するために、いくつかの実験を行い、以下のような結果を得た。1.無菌発芽させたペチュニアの子葉や胚軸にレーザー処理を行い、形質転換体を得ているが、これらの形質転換体の後代検定は行うことができなかった。今後は名古屋大学農学部に設置されるP2人工気象室を利用し後代検定を行うことにより、導入遺伝子数や導入部位などの詳細な解析が期待される。また、ペチュニアでの形質転換率などの調査を現在行っており、早急に明らかにしたい。2.リョクトウやイネを用いて形成されたカルスの細胞構成について明らかにし、リョクトウでは一個のカルスを構成する細胞には大きく分けて2種類の細胞が存在することが明らかになり、これらの細胞のうち、小さくて丸い細胞で振とう培養に移しても単一細胞になりにくいものは個体再分化可能なカルスを形成し易いことが確認された。これらのカルスを用いることにより、リョクトウにおいても形質転換体を得ることの可能性が期待される。また、イネでは亜種間で形成されたカルスの形態が異なり、日本型では個体再分化が良好であるが、インド型やジャワ型ではほとんど再分化は認められなかった。これらの結果から、日本型で認められたカルス形態を指標として普遍的に個体再分化できるような培養条件を考察することも可能であろう。3.現在ペチュニアの生長点培養を行い、レーザー処理後の選択培地の抗生物質の濃度の確定を行っているが、子葉や胚軸の場合とは異なっているように思われる。このため、抗生物質による生育阻害曲線を作成し、その後にレーザー処理により形質転換体の作出を行いたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Aoki,C.: "Characteization and inheritance of ‘Variegated-leaf' mutant in Petunia hybrida." Breeding Science. 45. 31-35 (1995)
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[Publications] Nakamura,K.: "Histological observation of mutiple shoot formation site in rice seed culture." Breeding Science. 45. 51-56 (1995)
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[Publications] Narciso,J.O.: "Different cell composition in mungbean (Vigna radiata (L.) Wilczek) cotyledon calli." Breeding Science. 45. 173-177 (1995)
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[Publications] Narciso,J.O.: "Histological observation of callus morphology in rice varieties." Rice Genetics III. (in press).
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[Publications] Hattori,K.: "The process of pollination to fertilization in rice." Rice Genetics III. (in press).
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[Publications] Wada,t.: "Studies on intercellular space of embryo and seedling tissues in some rice plants." Rice Genetics III. (in press).