1995 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌の線状プラスミドから転写、翻訳される宿主決定因子の構造解析と情報伝達機構
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06454058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽柴 輝良 東北大学, 農学部, 助教授 (20189476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柄澤 明 東北大学, 農学部, 助手 (90204651)
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Keywords | RS64タンパク質 / ORF1-1の68アミノ酸 / 合成ペプチド / Rhizoctonia solani / 菌体内タンパク質 / 細胞壁局在性 |
Research Abstract |
1.Rhizoctonia solaniの菌糸融合第4群のプラスミド、pRS64のORFから新規タンパク質(RS64)が発現している可能性を前年度報告した。今年度は、RS64タンパク質に対する特異抗体を合成ペプチドを抗原として作製し、本タンパク質の検出法の確立を試みた。RS64タンパク質(ORF1-1)の全68アミノ酸を二分してペプチドを化学合成し、HRLCによって精製した後、各合成ペプチドを家兎に免疫しポリクローナル抗体を作製した。作製した各抗体は、各抗原としたポリペプチドに対してのみ特異的であった。さらに、微量抗原をも特異的に検出するために、抗原とした合成ペプチドをリガンドとして、抗体のアフィニティ精製を行った。菌糸融合第4群の菌体から抽出した全タンパク質をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離した後、ウエスタンブロッティングに供した。検出に高感度ECL(Enhanced chemiluminescence)法を用いたとき、各抗体と反応する約12kDaのバンドが検出された。以上の実験から、R.solaniのプラスミドがコードすると思われる新規タンパク質(RS64)を高感度で検出する方法が確立できた。 2.本タンパク質の細胞内局在性について上記高感度検出法によって検討を行った。細胞壁画分から細胞膜を可溶化して除去しても細胞壁画分から本タンパク質は失われなかったことから、本タンパク質は細胞壁に存在していることが証明され、細胞間情報伝達に重要な役割を持っている可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Kuradate: "Detection of transcripts homologous to DNA plasmids in isolates from six anastomosis groups of Rhizoctonia solani" Ann.Phytopathol.Soc.Jpn.62. (1996)
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[Publications] K.Narisawa: "The efficient root infection with viable single resting spores of Plasmodiophora brassicae" Mycological Res.100. (1996)
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[Publications] 羽柴輝良・日向康吉: "植物生産農学実験マニュアル" ソフトサイエンス社, 445 (1995)