1996 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌の線状プラスミドから転写、翻訳される宿主決定因子の構造解析と情報伝達機構
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06454058
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
羽柴 輝良 東北大学, 農学部, 助教授 (20189476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柄澤 明 東北大学, 農学部, 助手 (90204651)
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Keywords | 変異タンパク質 / 新規タンパク質の合成 / 植物体への導入 / 抵抗性の誘導 |
Research Abstract |
(1)変異タンパク質のタンパク質デザイン 新規タンパク質の全アミノ酸残基68を含むペプチドを化学合成するとともに、C末端側にはロイシンリッチリピート(LRR)・モチーフがあり。LRRはタンパク質どうしの相互作用およびシグナル伝達に関与する重要な構造骨格をなすと考えられていることから、N末端側から35と33アミノ酸残基に二分したペプチドを化学合成した。 (2)デザインタンパク質の植物体導入と抵抗性発現 1)3種類の合成タンパク質の植物体への作用 上記合成ペプチドをダイコン苗に散布あるいは、ダイコン幼苗根を侵漬して、植物に抵抗性の誘導を試みた。抵抗性の誘導は弱く、新規タンパク質を2分したペプチドはレセプター結合活性を持っていないことが示唆される。このことから、平成8年度科研費(萌芽的研究)ではロイシンリッチリピート数の異なるタンパク質を多数作成して、研究を続行している。 2)植物体への導入と抵抗性の発現 上記合成ペプチドに対するcDNAを作成し、Agrobacterium tumefaciensのTiプラスミドに由来するバイナリーベクターpBI121のGUS遺伝子とそれぞれ置換したプラスミドを作製し、A. tumefaciensを介してこれらのプラスミドをタバコに導入した後、カナマイシン抵抗性カルスから常法により文化させた植物体を得た。形質転換タバコにR.solani菌を接種して植物体レベルでの抵抗性を検討したが、この方法ではR.solaniに対し抵抗性を発現しなかったことから、外部からの作用が必要と結論づけた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K. Katsura et al.: "The complete nucleotide sequence and characterization of the linear DNA plasmids pRS64 from the plant pathogenic fungus Rhizoctonia solani." Curr. Genet.30. (1997)
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[Publications] 羽柴輝良: "植物感染生理の新展開." 植物防疫. 51(5). (1997)
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[Publications] 桂 幸次他: "菌類のプラスミドDNA." 日菌報. 38(1). (1997)
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[Publications] N. Narisawa et al.: "Suppression of clubroot formation in chinease cabbage by root endophytic fungi, Heteroconium chaetospira." Plant Pathology. 46. (1997)
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[Publications] N. Narisawa et al.: "Clubroot formation factors of plasmodiophora brassicae with resting spore inoculation." Mycological Res.101. (1997)
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[Publications] T. Hashiba et al.: "Fungal Cells in biodefence mechanism." Sai Kon Publishers, (1997)
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[Publications] T. Hashiba et al.: "Rhizoctonia Species : Toxonomy, Molecular Biology, Ecology, Pathology and Disease Control." Kluwer Academic Publishers, 578 (1996)