1996 Fiscal Year Annual Research Report
イネの維管束組織特異的に発現するグルタミン代謝関連酵素の窒素転流における役割
Project/Area Number |
06454070
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山谷 知行 東北大学, 農学部, 教授 (30144778)
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Keywords | イネ / グルタミン合成酵素 / グルタミン酸合成酵素 / 窒素転流 / 免疫組織学 / 遺伝子発現 / 維管束組織 / 窒素環境応答 |
Research Abstract |
平成8年度の研究計画に沿って研究を遂行し、以下の結果を得た。 1.イネ葉身維管束組織に分布する細胞質型グルタミン合成酵素(GS1)タンパク質の発現する細胞が、葉身の生育時期で異なり、老化葉身では伴細胞と維管束柔細胞で、また抽出前の非緑色葉身では木部柔細胞と厚壁細胞で検出された。この結果から、老化葉身のGS1窒素転流に、また若い葉身では他の未知の機能を持つことが示され、国際学術誌のPlantaに公表した。 2.イネ培養細胞のNADH依存性グルタミン酸合成酵素(NADH-GOGAT)のmRNA及びタンパク質は、窒素供給に伴って短時間に著しい増加を示すことが判明した。この結果は、根で得られた昨年の結果と同様なものであり、この遺伝子発現の制御を解析する良い系を確立できた。なお、この内容は、Plant and Cell Physiolに公表した。 3.NADH-GOGATゲノム遺伝子をクローン化し、その構造解析を進めるとともに、約3.1kbのプロモータ領域を含むと考えられる構造を詳細に解析した。また、アグロバクテリウムを介したササニシキの形質転換の手法を確立し、発現制御の研究を行うことが可能となった。 イネ根におけるNADH-GOGATタンパク質の組織内分布を免疫学的に解析し、窒素の応答する発現場所を特定した。この結果は、現在投稿論文を作成中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yamaya, T.: "Occurrence of glutamine synthetase protein associated with plasma membrane in roots of rice (Oryza sativa L.)" Physiol. Mol. Biol. Plants.2(1). 79-82 (1996)
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[Publications] Watanabe, K: "Nucleotide sequence of cDNA encoding asparagine synthetase (Accession No. D83378) from rice callus (PGR96-20)." Plant Physiol.111(1). 347- (1996)
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[Publications] Watanabe, S: "Expression of NADH-dependent glutamate synthase in response to nitrogen supply in rice cell cultures." Plant Cell Physiol.37(7). 1034-1037 (1996)
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[Publications] Sakurai, N.: "Cellular localization of cytosolic glutamine synthetase protein in vascular bundles of rice leaves." Planta. 200. 306-311 (1996)
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[Publications] 山谷知行: "モデル植物の実験プロトコール:イネ・シロイヌナズナ編,細胞工学別冊植物細胞工学シリーズ4" 島本功、岡田清孝監修,秀潤社, 251 (1996)