1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454075
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
北川 泰雄 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (50101168)
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Keywords | 核内タンパク質 / DAN結合タンパク質 / スプライシング因子 / RNA結合領域 / 亜鉛フィンガー / クロマチン / スプライシオソーム / マトリン3 |
Research Abstract |
ヒトおよびマウスの核内タンパク質としえクローニングしたN/MAXは多様な機能性領域を持つタンパク質である。すなわち、a)Cのクラスターを認識して2本鎖DNAに結合する領域、b)スプライシング因子に見られるアルギニン・セリンに富むRS領域、c)hnRNPに見られるポリビリミジン結合モチーフを持つMH2領域、d)酸性核マトリックス蛋白質であるマトリン3と相同なMH1、MH2およびMH3領域、e)LVTVDEVIEEEDLの配列が繰り返すacidicrepeat領域、f)亜鉛フィンガーに類似した領域。N/MAX組織体の抗体は核当たり数百個の顆粒状構造体を蛍光染色し、この複合体は核分裂時に凝集クロマチンから排除されて細胞質に拡散し、分離を完了した複製クロマチンに再会合して娘核内に収納される。これらの特徴は、N/MAXが染色体の特定DNA領域やRNA分子を組み込んだ分子複合体に含まれて何らかの核内反応の場を形成していることを示す。本研究ではN/MAXに関して以下の研究実績を挙げた。 N/MAXの各種領域を“biteprobe"とするTwo-HybridSystemで、スプライシング因子であるSF2と同様に、RSを含む領域を介して32kDaのタンパク質(SF2-p32)と相互作用することが判明した。このことは、N/MAXがpre-mRNAを中心に形成されるスプライシオソームの構成因子であることを示した。これをさらに検討するために以下の実験を行った。 1)HeLa細胞の核抽出液および人工pre-mRNAからなる試験管内スプライシング反応系を構築し、N/MAX抗体の添加によるスプライシング反応の阻害を検討した。微弱な反応抑制効果を見たが完全阻害を確認するには至らなかった。 2)N/MAXでは、hn RNP/IおよびLに見られるポリピリミジンを認識するRNA結合モチーフのコア配列が3回繰り返している(MH2)。スプライシングで切り出されたpre-mRNAのイントロンの3′側では、一般にピリミジン含量が高い。これらのことは、N/MAXがMH2を介してイントロン配列の3′側におけるスプライシオソーム構造の構築に寄与している可能性を示唆する。そこで、N/MAXとマトリン3のMN2配列を含む組み換え体が選択的に結合するRNA配列をSELEX法で決定しようとし、とりあえず、マトリン3のMH2領域がポリピリミジン配列に結合することを確認した。 3)最近、RothらはRS領域を持つタンパク質に対する新しいモノクロナール抗体を作製し、スプライシオソームに十数個のRSタンパク質の存在を新たに示唆した。この中に、200kDa以上のサイズを持つものがあることを報告しているので、この抗体の分与を受けてN/MAXとの交叉性を検討した。核抽出液を用いた予備実験では、Rothの示した200kDa以上のRSタンパク質がN/MAXであることが示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Inagaki,H.,Matsushima,Y.,Ohosima,M.,Kitagawa.Y.: "Imterforon suppresses mitochondriol gone tronscription by depleting mitochondrial transiriphios farfor A (with TFA)" Bidchem.Biophys Rcs Commun. 210(印刷中). (1996)
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[Publications] Inagaki,H.,Matsushima,Y.,Ohoshima,M.,Nakamira,K.,Kodamaki,T.,Kitagawa.Y.: "A large DNA binding nulclecplomic Protein with moltiplo domains" J.Biol Chem.271(印刷中). (1996)
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[Publications] Ujita,H.,Shimomura,T.,Ito,K.,Kitagawa,Y.,kimura,K: "Expression and bindin activity of the carboxyl-terminal protein of the cora Protein of PG-M・A hrge chondroitin sulfote proteoglycon" J.Biol Chem.269. 2074-2080 (1994)
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[Publications] 北川泰雄: "表裏極性培養による医薬生産" 学術日報. 48. 1224 (1995)
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[Publications] 北川泰雄、新戻友章、熊谷知乃、岡野正樹: "α-ヘリックス鎖間会合の特異性と互換性-ラミニン異型体の形成機構を中心に-" 生物物理. 35. 63-69 (1995)
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[Publications] 北川泰雄、稲垣英利、萩島雄一、大島裕子: "新しい核マトリックス蛋白質:N/MAX" 生体の科学. 45. 252-258 (1994)
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[Publications] 北川泰雄、他25名: "細胞外マトリックス-臨床医学への応用-" メディカルレビュー社, 356 (1996)
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[Publications] 北川泰雄、他20名: "細胞外マトリックス" 愛智出版, 260 (1995)