1994 Fiscal Year Annual Research Report
森林時空間情報解析による火山山麓変動履歴に関する研究
Project/Area Number |
06454084
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新谷 融 北海道大学, 農学部, 教授 (00001462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 俊一 北海道大学, 農学部, 助手 (10250490)
清水 収 北海道大学, 農学部, 助手 (20178966)
矢島 崇 北海道大学, 農学部, 助教授 (90142702)
中村 太士 北海道大学, 農学部, 助教授 (90172436)
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Keywords | 森林群落齢構造 / 天然生同齢林 / 埋木年輪 / 埋木^<14>C年代 / 火砕流堆積物 / 土砂氾濫原 |
Research Abstract |
北海道内の代表的火山山麓を対象に、森林時空間情報である樹木群落齢構造、埋木年輪幅、埋木^<14>Cなどを用いて、火山活動の要因とその年代推定を行ったところ、これら新情報の有効性が認められた。1.古期火山利尻山山麓のエゾ・トドマツ林と土石流扇状地氾濫源の森林構造の相異から、1850年頃の利尻山山体崩壊とその後の二次的土石流発生が推測されるとともに、この氾濫原理没埋木年輪を用いたクロスデ-ティングの有効性が認められた。2.十勝岳では既往泥流堆積物中の埋木^<14>C年代から200、1000〜1300yB.P.などの泥流発生が明らかにされ、さらにエゾ(アカエゾ)・トドマツ林の構造から1700年頃の溶岩流(中央火口丘)、1800年頃の火山泥流とともに、小松原原生林が1857年溶岩流(焼山・摺鉢火口丘)と同時に起こった山腹水蒸気爆発・泥流によるものであることなどが明らかにされた。3.有珠山は1910年水蒸気爆発・明治新山形成期にドロノキ・ハンノキを中心とした先駆広葉樹林が形成されたが、これと同様に広葉樹主体の森林構造を有する駒ケ岳は、火砕流を主として1640、1856、1929年の火山活動により山麓が激変した。この駒ケ岳森林構造(自然再生林)を検討した結果、種数・密度・多様度は増大中であり、1929堆積物優占種は先駆樹(ヤナギ・ドロノキ)が主体であるが1640年ではナラ・カエデなどの後継樹に推移し、またAo層厚も0.2、4、7cmと増大するなど、樹木群落と地表表土の推移過程の関連性や堆積物化学物質含有量の相違から地表形成要因の相違が示唆された。4.樽前山では1669、1739年に降灰を中心に森林が激変しているが、かつて1940年頃まで広域に分布していたとされるエゾ・マツ純林が同齢構造(1931坂井)を有していたことから1739年噴火とくに火砕流によるものと結論された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 桜井彰人: "駒ケ岳火砕流堆積地における森林造成地の推移と植生回復過程" 緑化工学会誌. 19-3. 147-158 (1994)
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[Publications] Nakamura,F: "Sediment Routing Aralyses Based on Chronological Changes in Hillslope and Riverbed Morphologies" Earth Surface Process and Landforms. 20. 1-14 (1995)
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[Publications] 斉藤正美: "北海道南西沖地震にともなう奥尻島の斜面崩壊の特徴と土砂滞留" 新砂防. 20. 28-33 (1995)
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[Publications] 矢島崇: "樹冠組成と下層植生からみた恵庭岳滑降競技場跡地の植生回復" 森林科学. 14. (1995)
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[Publications] 清水収: "北海道日高地方の山地小流域における過去8000年間の崩壊発生域と崩壊発生頻度" 地形. 16-2. (1995)