1994 Fiscal Year Annual Research Report
水のクラスター構造が植物の生長・分化・増殖に与える影響
Project/Area Number |
06454108
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蔵田 憲次 東京大学, 農学部, 助教授 (90161736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荊木 康臣 東京大学, 農学部, 助手 (50242160)
後藤 英司 東京大学, 農学部, 助手 (00186884)
高倉 直 東京大学, 農学部, 教授 (50011929)
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Keywords | 機能水 / 活性水 / 気孔 / 不定胚 / 蒸散 / 発芽 |
Research Abstract |
機能水あるいは活性水(以後、機能水)とよばれる水の農業などへの応用が注目されている。機能水とは、水に電場処理、磁気処理、光照射などの処理を施したもので、植物生育の促進効果などが報告されているが、その効果を疑問視する人達もいる。本研究は、機能水の効果(あるいは無効果)を科学的に明らかにし、その効果の発現機構を解明することを第一の目的としている。初年度には、機能水の植物培養・栽培への影響の現象論的な把握を主な目的とした。電気分解水と電場処理水を用いて、次のような実験と結果を得た。 1)ニンジン不定胚の培養では、水の電気分解によるアルカリ水(pH無調整)、同(pH調整)、無処理水で実験を行い、アルカリ水(pH調整)、同(pH無調整)、無処理水の順に生体重は小さく、奇形胚の割合も高かった。この結果は、アルカリ水が不定胚培養には適していないことを示している。また、アルカリ水のROPは、培養開始後急速に通常の値に戻り、処理の効果が長続きしないことが示唆された。 2)カイワレ大根の発芽試験では、第1回目には電場処理水、電気分解アルカリ水、無処理水、電気分解酸性水の順に、生体重も大きく、発芽率もよかった。この差は一目で確認できるほど大きかった。第2回目の実験では電場処理水、(電場処理+オートクレーブ)水、活性炭処理水、電気分解アルカリ水、電気分解酸性水、無処理水の順で生体重も大きく、発芽率もよかったが、その差は大きくなかった。 3)ホウレンソウを使い、電場処理水を葉に散布した直後の気孔開度は、無処理水散布に較べ、若干大きかったが、統計的な有為差検定は今後の課題である。培養液に電場処理水を使ったときの蒸散量は、無処理水に較べ有為な差はなかった。 以上のように、電場処理水、電気分解水ともに、その効果の最終的な確認には、さらなる実験の積み重ねが必要であり、今後、継続して実験を行う予定である。
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Research Products
(1 results)