1996 Fiscal Year Annual Research Report
水のクラスター構造が植物の生長・分化・増殖に与える影響
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06454108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蔵田 憲次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90161736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荊木 康臣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50242160)
後藤 英司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00186884)
高倉 直 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50011929)
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Keywords | 機能水 / 活性水 / 発芽 / 撹拌 |
Research Abstract |
昨年度まで、水の電場処理、電気分解処理などの植物生育への影響評価を中心に検討してきた。しかし、これらの処理では、水のクラスターなどの物理的構造の変化だけでなく、溶解しているイオンなどの微量要素も変化する。そこで、本年度は、純粋に水の構造だけを変化させる目的で、物理的衝撃による処理の影響評価を中心に検討した。具体的には、水をミキサ-で強力に撹拌し、この水を使って、ホウレンソウの発芽および初期生育の実験を行った。得られた結果の数例を次に述べる。 1.イオン交換水を30分連続して、ミキサ-(容量1200ml、回転数9、200/min)で撹拌し、対照区として30分バブリングした水を用意し、発芽試験をした。その結果、ミキサ-処理により発芽率は向上した(播種後6日:ミキサ-区78%、対照区60%)。この結果は、単純な物理的衝撃だけでも植物生理に関係する水の構造が変化することを示唆するものである。 2.ほぼ同様の実験を繰り返した結果、ミキサ-処理により発芽率は低下した(播種後6日:ミキサ-区58%、対照区67%)。 3.同様に、発芽率と初期生育を調べた。その結果、対照区と比較して発芽率には大きな差はなかったが、播種後15日の生体重は低下した(ミキサ-区49.9mg、対照区74.8mg) このように、ミキサ-撹拌により単純に物理的衝撃を与えるだけの処理により、植物生理に影響を与える水の構造の変化が示唆されたが、影響の方向性・程度は実験ごとに異なり、統一的な方向性を示すものではなかった。今後は同様の実験を繰り返し、結果の再現性の低さの原因を含め、さらに検討する予定である。
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Research Products
(1 results)