1994 Fiscal Year Annual Research Report
プロラクチンレセプター遺伝子発現の調節機構と家畜改良への応用
Project/Area Number |
06454112
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 仙吉 東京大学, 農学部, 助教授 (80114487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 不学 東京大学, 農学部, 助手 (20175160)
河本 馨 東京大学, 農学部, 教授 (30011894)
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Keywords | プロラクチン / 乳腺 / ホルモン受容体 / メッセンジ-RNAの測定 / メッセンジ-RNAの合成 / メッセンジャーRNAの分解 / 泌乳開始 |
Research Abstract |
プロラクチンは泌乳を制御するホルモンである。乳腺細胞のプロラクチンレセプターと結合して乳腺細胞を刺激する。乳腺は、プロラクチンレセプター数を変化することによりプロラクチンの刺激を調節している。泌乳開始時に著しく増加し、泌乳最盛期に最大になる。プロラクチンレセプターは蛋白質である。このため遺伝子レベルでの解析が必要である。本年度において、遺伝子発現の機構を明らかにするため、その基礎として以下の研究を行なった。(1)妊娠中期に卵巣を除去すると泌乳を誘起できる。この実験システムを用い、遺伝子発現が短時間で起こることを明らかにした。(2)妊娠から泌乳全期間に渡りプロラクチンレセプターメッセンジャーRNA量の変化を明らかにした。しかし、メッセンジャーRNA量は合成と分解のバランスで決まる。合成速度と分解速度を知るため、泌乳中に哺乳停止、哺乳再開という実験手法を用いた。この結果、プロラクチンレセプター遺伝子の発現調節は速やかに行なわれることを明らかにした。泌乳中のメッセンジャーRNA量は、主として、合成速度により調節されていることを明らかにした。(3)本研究で用いたメッセンジャーRNAの測定方法は、コンペテェテェブ・ポリマレースチェーン反応である。本年度の研究を開始するに先立ち多方面から基礎的検討を行なった。充分に信頼できる正確性と再現性を認めたうえで行なったものである。 本年に行なった研究は順調に進み、中には当初の予想を上回る成果が得られ学術上重要な成果が得られた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 酒井仙吉: "Negative cooperativity in the prolactin-receptor interaction in the rabbit mammary gland" Journal of Dairy Science. 77. 433-438 (1994)
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[Publications] 江藤大介等: "Mechanism of prolacfin action on the dissociation from rabbit mammany gland receptor" Biochemical Biophysical Research Communications. 202. 1395-1399 (1994)
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[Publications] 溝口康等: "Time-depenclent change in leuels of prolactin receptor mRNA after ovariectomy in midnegnant mammary gland" (発表予定).
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[Publications] 金在英等: "Change in levels of prolactin receptor and casein mRNAs at different stages of lactation in mouse mammary gland" (発表予定).