1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454118
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 衆介 東北大学, 農学部, 助教授 (80136796)
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Keywords | 子牛 / 常同行動 / 舌遊び行動 / 吸乳時間 / 摂食時間 / 心拍数 / コルチゾール / ストレス |
Research Abstract |
これまで、舌遊び行動の誘発要因および意義・機能を実態調査の中から類推してきたが、最終年にあたり、実験的な裏付け調査を行った。 1.誘発要因の類推 実態調査から、吸乳行動や摂食行動の抑制が舌遊び行動の誘発要因として類推された。そこで、ほ乳用乳首の穴を操作することで、吸乳時間の長区(平成518秒)と短区(平均93秒)を設け、行動、血中コルチゾールレベルを比較した。その結果、長区では舌遊び行動が短くなり、吸乳後のコルチゾールレベルは急激に低下した。離乳後、粗試料の給摂量の通常量区と倍量区を設け、行動を比較した。倍量区では葛藤行動の指標である身繕い行動は少なく、舌遊び行動も少なく、その後通常区にすると身繕い行動の増加と舌遊び行動の1.5倍増がおこった。通常区では身繕い行動と舌遊び行動は多く、反転すると舌遊び行動は1/10に減少した。従って、哺乳期間中においては吸乳時間の抑制が、離乳後においては粗飼料摂食時間の抑制が心理的ストレスをもたらし、その結果舌遊び行動が誘発されるものと推察された。 2.意義・機能の類推 昨年実施した驚愕実験の結果から、舌遊び多発牛では心拍数の変化から交換神経系の反応性の高さが示された。そこで、舌遊び実行に伴う心拍数の変化を調査した。5頭の108回の舌遊び行動に関するその実行前、実行中、実行後の心拍数は、どの固体についても実行中に実行前より4回/分程度減少し、実行後は実行前と同レベルとなった。ヒトの場合、2回/分程度減少しても心理的安定が意識されることから、ウシの場合にも心理的安定がもたらされているものと推察された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T. Seo: "Behavioural and physiological characteristics of tongue-players in Japanese Black calves" The 8th AAAP Animal Science Congress Proceedings. Vol.2. 952-953 (1996)
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[Publications] 佐藤 衆介: "家畜行動学" 三村耕編著(養賢堂), (1997)