1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454126
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 義之 京都大学, 農学部, 教授 (10041013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 幸雄 京都大学, 農学部, 助手 (10252496)
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Keywords | ウシ / 分子遺伝学 / 脂肪細胞 / 分化 / 転写制御因子 / クローニング / C / EBP / PPAR |
Research Abstract |
ウシにおける脂肪蓄積の遺伝的制御機構を明らかにすることを目的として研究を進めた。昨年度クローニングした脂肪細胞分化の制御因子ウシC/EBPファミリー遺伝子(α,β,δ)の発現制御機構を明らかにするために、これら3つの遺伝子のプロモーター領域の塩基配列の決定を行った。ウシC/EBPαプロモーターではマウスやヒトで発現制御に重要であることが示されているC/EBP結合配列やUSF結合配列が保存されておらず、ウシのC/EBPα遺伝子の発現制御機構がマウスやヒトと異なる可能性が示唆された。この特徴がクローニングに用いたウシに特異的なものがあるのか、あるいはウシ品種間・個体間に相違が見られるのかを検討するために、ウシC/EBPαプロモーター領域をPCRにより増幅し、DNA多型の存在を調べた。予測育種価の異なる黒毛和種牛と褐毛和種牛について検討したが、DNA多型は検出されず、ウシC/EBPαプロモーターの特徴はウシの品種を越えて共通に見られるものと考えられた。 また脂肪細胞分化や脂肪合成に関わる因子及び酵素をより広範囲にわたってクローニングするために2週齢子ウシの脂肪組織よりcDNAライブラリーを作製した。 マウスにおいて脂肪細胞分化の制御因子として新たに報告されたPPARγ2について、作製したウシcDNAライブラリーよりクローニングした。ウシPPARγ2 cDNAはマウスと同様に505個のアミノ酸から成るタンパク質をコードしており、マウスとの相同性は95%と非常に高かった。このことからウシにおいてのマウスと同様にPPARγ2が脂肪細胞分化において重要な機能を持つと考えられた。
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