1995 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯荒廃地造林のための環境ストレス耐性樹種開発の基礎研究
Project/Area Number |
06454134
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 惠彦 東京大学, 農学部, 教授 (20196158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 克己 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (80211895)
丹下 健 東京大学, 農学部, 助教授 (20179922)
井出 雄二 東京大学, 農学部(林), 助教授 (90213024)
八木 久義 東京大学, 農学部(林), 教授 (80191089)
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Keywords | 熱帯性マメ科樹種 / フタバガキ科樹種 / Melaleuca cajuputi / アルミニウムストレス / ストレス耐性機構 / カルス培養 / 糖 / 滞水ストレス |
Research Abstract |
マメ科の3種Paraserianthes falcatariaとAcacia mangium,Leucaena leucocephalaの実生を無菌的に培養し,Alストレス下での成長を調べたところ,いずれの種も根の伸長が抑制された。10mM Al添加区でL.leucocephalaが枯死したのに対し,P.falcatariaは根の伸長抑制が30%にとどまり,Alストレスに耐性があることが明らかになった。培地中の有機酸を分析したところ,クエン酸をAlストレス下で誘導的に根から分泌していた。特にP.falcatariaは誘導量が大きかった。有機酸の生合成を制御するホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの活性も3種のうちP.falcatariaが最も高かった。外生クエン酸を培地に加えると3樹種ともAlによる根の伸長抑制が緩和された。P.falcatariaでは内生クエン酸を多く分泌することがAlに対する耐性機構の一部であることが示唆された。 前年度に確立したShorea roxburghiiのカルス培養系に加え,S.macrophyllaのカルス培養系も確立した。これらの培養系を用い、炭素源として培地に添加する糖の種類による成長差を調べた。6種類の糖のうちマルトースとスクロースで成長がよかった。カルスの健全さを加味するとマルトースが適していることが明らかになった。 Melaleuca cajuputiの実生は頂端まで冠水させるとほとんど樹高成長が見られなくなるが,根系のみを滞水条件においた場合は成長が抑制されなかった。
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[Publications] SUKARTINGSHI,Yoko SAITO,Yuji IDE and Satohiko SASAKI: "Callus Induction from Seedings of Two Dipterocarpaceae Species" 日本林学会論文集. 105. 339-341 (1994)
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[Publications] SUKARTININGSHI,Y. SAITO,Y.IDE,K.K.KOJIMA and S.SASAKI: "Effect of Saccharides on Callus Culture of Shorea roxburghii G.Don" 日本林学会論文集. 106(発表予定). (1995)