1995 Fiscal Year Annual Research Report
酸分泌刺激による胃底腺壁細胞プロトンポンプ動員のメカニズム
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06454149
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
川村 越 産業医科大学, 医学部, 教授 (00049066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 和夫 産業医科大学, 医学部, 講師 (70131927)
大野 宏毅 産業医科大学, 医学部, 教授 (30049085)
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Keywords | H^+ / K^+-ATPase / Na^+ / K^+-ATPase / キメラ分子 / 卵母細胞 |
Research Abstract |
シビレエイのナトリウムポンプβ鎖とブタのプロトンポンプβ鎖との間でキメラ体を構築し、これらをアフリカツメガエル卵母細胞中で発現させた。平成7年度は、キメラβ鎖とα鎖との会合体形成能や、できた会合体のATP分解能以外に、イオン電流の膜電位依存性を分析した。その結果、 1,β鎖の細胞質側に依存するN末端領域は、ATP分解活性に関する限り両ポンプ間で互換性があるが、イオン電流の膜電位依存性に差があり、β鎖N末端領域がイオン特異性に関与する可能性が生じたこと。 2,細胞外側に存在する最もN末端側の-S-S-ループ(L1)は両ポンプ間で互換性が低く、機能上特異的領域であることが示唆された。特にこのループ内の148位のアミノ酸残基が重要であり、ナトリウムポンプでは塩基性アミノ酸(Lys, Arg)、プロトンポンプでは疎水性アミノ酸(Phe, Leu)であること。 3,プロトンポンプβ鎖がα鎖と安定複合体を形成するには、糖鎖が全て揃っている必要があること。 などが新たに明らかになった。 なお、機能的ポロトンポンプが細胞膜へ選別輸送される機構については、これを培養細胞発現系を用いて組織化学的に追跡している過程で、さらにプロトンポンプβ鎖に特異性の高い抗血清が必要なことが判明し、新たに数種の部位特異的抗血清を作成した。これにより共焦点レーザー顕微鏡等による構造的解析が進展することが期待される。
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[Publications] Osajima, A.: "Adrenomedullin increases cyclin AMP more potently than CGRP and amylin in rat renal tubular basolateral membranes" Life Sci.57. 457-462 (1995)
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[Publications] Nomoto, M.: "Analysis of cis-acting regions upstream of the rat Na^+/K^+-ATPase α1 subunit gene by in vivo footprinting" Biochim. Biophy. Acta. 1264. 35-39 (1995)
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[Publications] Ueno, S.: "The expression of Na^+/K^+-ATPase β-subunit cRNA injected into Xenopus oocytes is affected by coinjection with α-subunit cRNA" J. Membrane Biol.148. 51-56 (1995)
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[Publications] Osajima, A.: "Looop diuretics act directly on adenylate cyclase in rat renal tubular basolateral membranes" Jpn. J. Nephrol.37. 436-441 (1995)
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[Publications] 川村 越: "イオン輸送性ATPaseスーパーファミリー" 生体の科学. 46. 468-470 (1995)
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[Publications] 川村 越: "生科学の基礎" 培風館, 207 (1995)